コロナ禍においては、めっきり減っていた行事である法事に行ってまいりました。
親父は8人、おふくろは4人兄弟であったために、ひところは、法事マニアとまで言われていた私ですが、今となってはその頃が懐かしいような気にさえなっていました。
あと席でのアルコールは諦めて、自家用車に母を乗せて石神井公園近くのお寺に向かいます。
今回は、母の弟であったKさんの一周忌です。
「今日はどこへ行くんだっけ?」
「Kおじさんの一周忌でしょ」
「そうか。弟の方が先に逝っちゃったのね。でも順番ってわけにもいかないしね」
この件を何度も何度も繰り返します。
まあ仕方のないことですよね。
この日は、いいお天気でした。
空が青くて青くて。
いつも優しくて笑顔しか記憶に残っていないおじさんの心そのもののような空の青でした。
お経をあげていただき、墓前に手を合わせてから、また母を同乗させて、あと席が用意されていた光が丘のホテルを目指してクルマを走らせました。
車内では、昨年の一万人の第九のDVDが流れています。
「随分たくさん人がいるわねえ」
「そりゃあ、一万人だからね」
「えっ?ひまじん?」
随分耳が遠くなった母には、いちまんにんがひまじんに聞こえたんですね。
これ、可笑しくて可笑しくて。
「わざわざ大阪まで行って、ドイツ語で歌ったりしているだから確かに暇人かもねー」
和やかに食事をいただきながらも、暇人と言われてしまったことが可笑しくて思い出し笑いをしちゃっていました。