元はと言えば、子供を川越のラグビースクールに入れたときに、父親仲間として一緒にコーチの真似事をやったりしたことで仲良くなり、今やただの深酒フレンドとなったKさんは熱海の出身です。
九月場所のチケットを取ったんですけど、誰も一緒に行く人がいないんですよ。
どうですか?
と、これまたラグビー仲間の方に誘われ、たまにはいいかなあと14日目に国技館にいくことに。
あまり真面目に相撲を見ない私ですが、この場所は横綱不在で大関もあまり芳しくない成績らしいことはなんとなく知っていました。
そして、幕尻に近い方の力士が優勝戦線に残っていることも。
その力士の四股名は熱海富士ということも。
「Kさんは、熱海富士は応援しているんですか?」
「しているもなにも、やはり郷土の出身ですからね。
それに、静岡県は優勝力士を出していないんですよ。
だから静岡全域で盛り上がっているんですよ」
と。
この日の席は、二階席の前から6列目。
まあまあ見やすい席です。
着いた時には、まだ幕下の力士が上がっている頃。
よし、ならば土産物でも物色に行きましょうということに。
Kさんに喜んでもらうべく、熱海富士のタオルを探しましたが、どの売り場に行ってもソルドアウト!
まあ突然に優勝争いに参加することになったのですから、元々そんなに仕込んではいなかったということでしょう。
売り場のお姉さんに訊くと、
「トランプなら中に熱海富士も入っていますよ」と。
トランプじゃあねえ…
お姉さんは、笑顔で、
「来場所には、もっとたくさん入りますよ」と。
新しいスター誕生を喜んでいる感じでした。
お土産は諦めて、国技館名物の焼き鳥にビールや酎ハイを仕込んで座席で飲み食いしながら観戦です。
正直言えば、そんなに相撲に興味はありません。
でも、やっぱり何事もライブはいいもんですね。
土俵入りも懸賞でさえ楽しみの対象になり得ます。
十両のまだ髷も結えない大の里という力士が良かったなあ。
今後も彼に注目することにします。
特別に応援をすることにしていた親戚の親戚のような関係の熱海富士は、難敵の阿炎に勝って千秋楽に初優勝の望みを繋ぎました。
結局、熱海富士はやっと立っているような大関貴景勝に卑怯だと言われるような決定戦で敗れることになるのですが、この日の我々には翌日のドラマなど知る由もありません。
弓取り式を見届けてから、両国から森下まで歩きました。
名店『魚三酒場』に行くためです。
しかし、行ってみると無情にもシャッターが閉まっています。
がーん。
じゃあ、まあ仕方ないからここでいいかと、魚三高橋店のすぐそばにあった居酒屋に入りましたが、ここ意外に悪くなかったですね。
うん、相撲楽しかったなあ。
また、チケットの嫁入り先がなかったら声をかけてくださいね。