先週末は、「聖マルティンの日」と呼ばれるモラヴィア地方の伝統的な祭日でした。ブルノから電車で1時間半程の小さな村お祭りを見に行く大学主催のイベントがあったので、参加してきました。

 

キヨフはスロヴァキアとの国境に程近い小さな村です。

 

聖マルティンとは、キリスト教の聖人であるトゥ―ルのマルティヌスのことで、彼の命日とされる11月11日が聖名祝日となっています。キリスト教圏のヨーロッパ各地で祝われるお祭りのため、チェコ固有のものではありません。むしろ、チェコ国民の大半は無宗教であり、キリスト教国ではないので、宗教的意味合いよりも、村に伝わる民俗行事としての側面が強いと思います。村の収穫祭で、その年にできたワインを初めて楽しむ日であり、同時に冬の訪れを告げる日でもあります。この日を境に気温がグッと下がり、昔は雪が降ると言われていたそうですが、ここ最近の初雪はもう少し先だそうです。日本で言う「立冬」のような位置付けだと思います。

 

中でも最も盛り上がるのが「Chasa」と呼ばれる民族衣装を身にまとった村人たちによるパレードです。ふかふかのマントを身にまとったマルティンと、「Starek」と呼ばれるその年の男子を先頭にパレードが行われます。主役の男子は、17、18歳の子たちの中から立候補(!)で選ばれるそうです。要するに目立ちたがり屋やん。(笑) 日本の「○○祭」でよくある「今年の義経役」「斎王代役」のようなイメージでしょうか。このような大規模な行事の配役にありがちな、お金の力や知名度は重要ではないと思いますが。(笑)

一行が向かうのは「Starka」というその年の女子の家です。前日のお祝いで、男子がその家に帽子を忘れてきてしまったため、「ドアを開けておくれ」というやり取りが行われます。ここで女子がドアを開けてあげるまでが長い!まあ、すんなり開けてしまったら、お祭りがあっという間に終わってしまいますけれど。(笑)

 

無事に帽子をゲットした彼は、彼女にお礼のワインをプレゼントして、村人たちに持ち上げられながらキス。このカップルは別に本当の恋人同士でなくても良いらしいです。

そして理由はよく分かりませんが、「Starka」の両親も持ち上げられて、キスをします。

その後は、皆にお菓子やワイン、「Slivovika」と呼ばれるプラム酒(アルコール度数かなり高め)が振舞われます。結局、どのお祭りも食べて、飲んで、陽気に騒ぐ、という流れに落ち着きます。(笑) 

 

後半の目玉は、「Kradeni Kacera」と呼ばれるガチョウ争奪戦です。これは、聖マルティンが、トゥールの司教にならないよう隠れていたところ、ガチョウが鳴いて彼の居場所を知らせてしまったため、司教にならざるをえなくなったという逸話が基で、ガチョウが生贄になるのだとか。要するにとばっちりです。(笑)  昔は収穫に感謝するため、ガチョウをぶん殴るというおぞましい習慣があったそうですが、1870年以降この野蛮な風習は禁止されました。その代わり、一般の村人たちが、聖マルティンやその年のカップルたちから、ガチョウを奪うという謎のイベントが行われるようになりました。一般人がガチョウを盗むことに成功すると、5リットルのワインがもらえます。(笑) ここからは、飲んで、踊るというどんちゃん騒ぎが繰り広げられてお開き、となります。

 

ところで最近のブルノは、日に日にクリスマスムードが高まっています。最後に、そんな街の様子をちょこっと紹介。

 

青果市場に登場した巨大なクリスマスツリー。これからデコレーションされて、クリスマスマーケットの屋台も設営されます。

ショッピングモールのイルミネーション。

ショッピングモールのオブジェ。大阪顔負けにギランギラン。(笑)

スーパーで売られているアドベントカレンダー。これと同じものが、日本の「カルディ」ではいくらで売られているのでしょうか。(笑) チェコで200円しない商品が500円超えていたらちょっとウケる。(笑) 

 

ではでは今日はこの辺で!

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