毎回アホのように舞台鑑賞日記をアップしている当ブログですが、折角これだけ劇場に通っているのだから、たまには(笑)読者の皆様のお役に立ちそうな情報をまとめてみますね。

 

音楽の都ウィーンに来たのだからオペラ座には入ってみたいけれど、チケット代が高い!または、売り切れていた!という方には、立ち見がおすすめです。でも、立ち見のシステムをよくご存知でない方も多いと思うので、今回はオペラ座の立ち見券購入、ドレスコードとマナー、おすすめの場所、僕の立ち見にまつわる想い出話等をご紹介します。

 

立ち見券購入方法

立ち見券は、公演当日の午後に販売されます。正確には開演の80分前に発売開始です。

売り場は、オペラ座を正面に見て、左側のOperngasse通り沿いの、回廊部分にあります。「standing area」という看板も出ているのですぐに分かります。

さて、発売開始は80分前と書きましたが、人気演目(定番演目や人気歌手出演日)に関しては、立ち見席ですらなくなることがあるので、早めに並ぶことをおすすめします。僕がモダンバレエを観た時には、開演2時間前くらいに並びました。

ちなみに先日のオポライス主演「蝶々夫人」の際にできていた行列がこちら。

屋内は当然一杯で、売り場入り口からずら~っと並んで…

オペラ座の角を回り込んで、こんなところまで行列が!ちなみに、これは開演2時間前です。

さて、無事売り場までたどり着いたら、次は立ち見券の種類です。立ち見の場所によって3種類あります。

①パルテッレ 1階平土間の後ろです。真正面から観られるので大人気。5ユーロ。

②バルコン 4階席の後ろです。おそらく上階によって視界が一部さえぎられるのでおすすめしません。4ユーロ

③ガレリー 5階席の後ろです。いわゆる「天井桟敷」。4ユーロ。

 

観光客に大人気なのは、①のパルテッレですが、僕個人のおすすめは③のガレリーです。なぜなら、パルテッレは観光客だらけだから!まだお品のある観光客なら良いのですが、「ウィーンに来たし、とりあえずオペラ座入ってみる?インスタ映えしそうだし~」という類が非常に多いんです。要するにマナーがすこぶる悪い!折角ウィーンのオペラ座に来てまで、下品な観光客たち(主にアジアの某国の方々。お察しください。)に挟まれて舞台鑑賞というのはあまりにも残念すぎます。

「本場ウィーンの雰囲気を味わいたい!」という方には、ガレリーを強くおすすめします。真の音楽好きは天井桟敷に集う、とよく言われているように、地元の方々が来られているのがガレリーなんです。そのため、一番安いフロアーとはいえ、観客の品格と教養のレベルが違います。逆に言えば、パルテッレやロジェ(ボックス席)は、観光客がほとんどです。ですから、正真正銘のウィーン市民の雰囲気に浸りたければ、ガレリーがおすすめです。「このような方たちが観に来られるんだ」というように観客の様子を眺めるのも、ガレリーのお楽しみの1つです。

 

そして、自分の番が来たら、係員に枚数と券の種類を伝えます。例えば、ガレリーを1枚なら「アイン ガレリー ビッテ」と伝えれば大丈夫!現金のみの取扱いで、お釣りをくれるのかも微妙なので、ピッタリ用意しておきましょう。

 

チケットを手に入れたら、係員の誘導に従って、券の種類ごとに階段に並んで待機します。そして時間になれば、案内に従ってそれぞれの立ち見エリアに入ることが出来ます。

エリア内での立ち位置は早いもの順なので、熾烈な競争が繰り広げられることもあるらしいです。

 

僕も所詮観光客なので、場所取りに若干戸惑いつつ、特に場所のこだわりがあるわけでもなかったので、どこにしようかな?と迷っていたのですが、ここでびっくりすることが起こりました。一番先頭に並んですでに場所を取っていた地元のおじさんが、「ここに来なさい!」と僕を引っ張って、自分の隣のスペースに入れてくれました。そこは、立ち見エリア最前列のど真ん中。要するにベストポジションに、新参者の僕を入れてくれたんです。立ち見エリアの場所取りは、けっこうピリピリしていると聞いたことがあったので、見るからに観光客のアジア人に、一見怖そうな地元のおじさんが親切にしてくださったことにただただびっくり!唖然としている間に丁寧に紙を手すりに巻いて、場所のマークまでしてくれました。立ち見エリアでは、自分の場所を示すため、マフラー、スカーフ、長めの紙(最悪ロビーにおいてあるオペラ座の公演スケジュールの紙を手すりに巻き付けてもOK)を手すりに結んでおくのですが、僕の分までしてくださいました。

他にも、何人か観光客はいたのですが、僕にだけこのようなお世話を?何故だろうと少し不思議だったのですが、後日友人に話したところ、「多分この子は芸術をきちんと分かっているだろうな、と咄嗟に分かったんじゃない?」と言われました。(笑) あと、僕は立ち見でも、それなりにきちんとした服装で行ったので、そこも大きかったのかなと思います。係の人の対応も、他の観光客にはわりときつく「荷物をクロークに預けなさい!」と言っていたのに、僕には「まあ、預けても預けなくてもどっちでもいいわよ~」と明らかに差がありました。

 

眺めはこんな感じです。最上階でも見切れることはほぼありませんでした。おじさん、ありがとう!

隣に立たれていたおばさんとも、拍手をしながら「良かったですね」という感じで感動を共有できたりして、上質で心地良い観劇体験でした。ですから、地元の方の雰囲気を体感したい方は、ガレリーを購入されるとよいと思います。

 

ドレスコード

一般的に立ち見席に関しては、ラフな格好で良いと言われていますが、この「ラフでも良い」の基準がかなり曖昧な気がします。僕個人の意見ですが、あくまでも非日常空間のオペラ座ですから、いくら立ち見席とはいえ、場をわきまえた服装、身のこなしを心がけた方がよいと思います。Tシャツ・短パンは論外ですし(これはさすがに締め出されます)、ジーンズ等も綺麗目のものを選びましょう。ダボダボ・ヨレヨレの服装をしている人もちらほらいますが、かなり目立ちますので止めましょう。別に立ち見エリアにとどまっているのなら多少ラフでも構いませんが、休憩時間にホワイエ等の共有スペースを散策したい方は、こざっぱりした服装で行くべきだと思います。ホワイエは、当然上位カテゴリーを含むすべての人達が利用しますので、あまりにもだらしない服装の人がいると、一気に美観を損ね、雰囲気がぶち壊しです。また、日中観光して、そのまま立ち見に来る人もいるようですが、出来れば一旦ホテルに戻って身だしなみを整えてから出直すくらいの心がけはほしいかなというのが、僕個人の意見です。幸い、過去4回オペラ座に通った中では、日本人の方で、目をふさぎたくなるような服装・マナーの方はいらっしゃらなかったので、比較的TPOをわきまえているのかなと信じていますが…某アジア経済大国からの観光客の中には、だらしない服装で入場するわ、自撮り棒等を使って写真を撮りまくるわ、というとんでもないマナーの国民もいますので、そういう悪い見本の代表格にならないようお互いに気を付けましょうね。僕としては、男性はスーツが無理でもシャツに綺麗目のパンツ、女性はワンピースやパンツスタイルあたりなら、悪目立ちはしないと思います。ドレス等でない限り、露出度が高い服装は下品に見えるので控えましょう。立ち見とはいえ、「少しおしゃれしてお出かけする」くらいの気持ちがあれば、変な服装にはならないかな。その方が、結果、何より自分が気まずくならず、居心地よく、きっと素敵な時間を過ごせますよ。

 

ではでは、皆様もウィーンで素晴らしい音楽&舞台鑑賞を楽しんでくださいね!

 

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