ブルノでは、5月末から9月頭まで、シュピルベルグ城で野外オペラが上演されます。今年のラインナップは「ナブッコ」、「椿姫」、「愛の妙薬」、「ポーランド気質」、「トスカ」、「カルメン」、そして「セビーリャの理髪師」と有名どころが揃っています。僕は旅行に行く関係で、5月の公演しか観に行けないので、まずは「ナブッコ」に行ってきました。7月に友達とヴェローナ音楽祭に3日間通う予定なので、野外オペラの予習も兼ねています。

 

シュピルベルグ城は、街を見下ろす丘の上に位置していますが、残念ながらケーブルカーやロープウェイなどの文明の利器はございませんので、徒歩で登る必要があります。ただ実質10分くらいで着きますし、緑豊かな城周辺の遊歩道は、市民の憩いの散歩道。

 

会場は城の中庭で、ステージはこんな感じ。さすがに、ヴェローナ音楽祭などと比べると安っぽいですが、そこはスルー。

オーケストラは下手側のテントで演奏します。これだと音が偏るじゃないかと思ったら、マイクで左右均等に拡散している模様。

 

休憩時間の様子。出演者たちが観客に混ざって休んでいる光景はけっこうウケました。知り合いが観に来ている人も多いみたいで、おしゃべりをしていたり、ブッフェの列に並んでいたりと、地域に根付いたイベントという印象でした。

舞台転換の様子を間近で見られたのも興味深かったです。

野外オペラの注意点としては、予想以上に冷え込むということです。野外オペラが実施される時期は夏場とはいえ、夜はまだまだ気温が下がるので、防寒対策は必須。冬物のコートやジャケットを着ていてちょうどよい感じでした。野外ということもあり、そこまでフォーマルな服装は求められないので、見た目よりも実用性重視の服装をおすすめします。また、チェコはこの時期、夕立や短期間降り続く雨が多いので、防水性も兼ねたものだと更にベター。ヴェローナ音楽祭もかなり寒さ対策が必要なようなので、これはいい勉強になりました。

 

パフォーマンスの感想としては、群衆役が活躍する「ナブッコ」という演目が野外オペラ向きということもあり、予想以上に良かったです。以前テレビでヴェローナ音楽祭のものを観てしまっていたため、どうしてもそれと比較してしまうのですが、他と比べなければこれはこれで楽しめると思います。有名な「行け我が想いよ 金色の翼に乗って」も野外で聴くとかなり趣があります。開演時間の20時にはまだ明るかった空が、徐々に夜空へと変化していく様子もなかなか素敵なので、パフォーマンスのクオリティーや音響よりは、お城というロケーションを含めた雰囲気を楽しむものかなと感じました。

 

カーテンコールの様子。

来週は「椿姫」を観に行く予定ですが、天気予報は生憎の雨。どちらかというと「ナブッコ」よりこちらの方が本命だったため、天気がもってくれることを祈っています。今週は、AIUからの卒論に向けた課題や、国際郵便の受け取りに関する事務手続きでバタバタしていたため、来週のどこかで近郊のオロモウツまで日帰り旅行に行きたいなと思っています。チェコで2番目に文化財が多い街だそうで、ブルノからバスだと学生は片道25コルナほどで行けるので楽しみ。

 

よろしければ、ワンクリックお願いします。


観劇ランキング