Pyotr Tchaikovsky "Swan Lake" (February 22, 2019) @ Janacek Theater

Odette/ Odile: Martina Arduino (Guest from Teatro Scala Ballet)

Prince Siegfried: Maxim Chashchegorov (Guest from Munich Ballet)

Rotbart: Ivan Popov

 

ブルノ国立バレエ「白鳥の湖」、水曜日に引き続き2回目の鑑賞。今回は、ちょっと奮発して、チケット売り場のおばちゃんおすすめの1階席!それやのに、出かける前に近所のスーパーに買い物に行ったら、まさかの予告なしの休業。しかたなく、本駅の方まで出たところ、思ったより時間がかかって、家を出たのが開演30分前!若干慌ただしい到着となりましたが、間に合ってよかった。

今日は、主役をそれぞれミラノスカラ座とミュンヘンからのゲストが踊るファーストキャストの日。エントランスにレッドカーペットが敷かれて何やら撮影も行われていました。それから、僕の席の数列斜め前の席に監督が座っていました。立派なタキシード着て、やけに立ち姿の美しい男性がいるわ~と思っていたのですが、よく見たら監督でした。

 

おおまかな進行は前回でだいぶ頭に入っていたので、今回は細かなところまで落ち着いて観られました。やっぱり後ろの列でも1階席の方が、舞台も近くて観やすいです。まあ、元々そこまで大きなホールではないのですが。

1幕の群舞は、前回よりもより丁寧な印象を受けました。ただ、これが回数を重ねてよくなったのか、単に僕の目線が2階から1階に移ったからなのか(元々2階席で観るのにあまり慣れていないので)はよく分かりません。←おい。(笑)

 

しかし、今日の目玉はなんといっても主役の Martina Arduinoでしょう。登場した瞬間から息をのむ美しさ!オデットのときから非常に華があり、まるで彼女の周りがキラキラと輝いているかのよう。ポーズも一つ一つきっちりと決め、つなぎのパでも時々はっとさせられる美しさがありました。王子に対する感情の変化も細やかに表現され、白鳥というよりは人間らしさが勝ったオデットでした。さすが、ミラノスカラ座で主役を踊っているだけあって、洗練された雰囲気と踊りでレベルが格段に違いました。(これは果たしていいのか悪いのか…。)

そして3幕!オディ―ルとして登場した彼女はまるで、ダイヤモンドのようなきらめきを放っていました。「悪」よりは、「舞踏会に登場した魅力的な貴婦人」という雰囲気で、品のある黒鳥。もちろんテクニックも非常に安定しており、大技をさらっと組み込んできていました。僕が度肝を抜かれたのは、オディ―ルのヴァリエーション。冒頭、普通はピルエット→トゥ―ル・アチテュ―ド(シングルまたはダブル)が主流なのですが、彼女はピルエットなしで、いきなりアチテュ―ドでトリプルを全てに入れてきました。しかも、毎回少しもぐらつかずに、ぴたっと着地。これは、パリオペラ座のエトワールクラスが入れてくるかどうか、ぐらいの大技です。まさか、ここで観られるとは思いもしませんでした。その後も、すべての技での魅せ方が非常にうまく、確実にそして最も美しい形で踊ってくれました。見せ場の32回転は、前半にすべてダブルを組み込み、後半はシングルで少しもぶれることなく、回り切りました。このあたりから、客席が大騒ぎ。

終盤、前回はオディ―ルが王子から花束を渡されたのですが、今回はなかったような。忘れたのか(それはないか笑)、それとも演出を変更にしたのでしょうか。

 

4幕のパドドゥも、非常にドラマチックで2人の愛と絶望がひしひしと伝わってきました。2幕の振付と同じ部分が何か所かあるのですが、心憎いですね~、同じ振付でも、1夜を経て2人の感情は全く異なるという現実が表現されていました。

2回目だからか、ショッキングな結末のダメージも減りました。(笑) 静かでそれなりに美しい結末だと思います。はい。

 

カーテンコール写真です。やっぱり1階の方がきれいに撮れますね。Martina、お辞儀もゆったりと間をとったお辞儀で、非常に美しかったです。さすが、スカラ座のソリスト。(シャッター押しやすくて助かるし。笑)

 

 

これにて劇場通いは一旦おしまい。と言いつつ、すでに来月のスケジュールを確認し、「白鳥の湖」3回目(スペシャルゲストが来る予定)と「ロミオとジュリエット」を何公演分かのチケットは確実に押さえようと考える今日このごろ。日本よりもお得に観られるので、ついつい通ってしまいます。


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