2月に保護した猫を『あまね』と名付けます。

保護したときに時にまず浮かんだ言葉が『雨音』。



冷たい雨が降る寒い冬の夜、外にいる野良だったこの猫のことを心配しながら眠りに落ちる日が幾度もあったからです。


でも少し寂しい印象があるから、つけるのをためらってました。



その後に想定してなかった出産で、ぼくはパニックになり、名前を考える余裕がなくなりました。


その間も見知らぬ環境に保護されたこの猫は、懸命に子猫を世話しつづけ育てています。



親子の仲睦まじい姿は、他者へ責任を持つことを避けてきたせいで忘れていた温かさを思い出させてくれました。

 


 

それは天から響く音のように独りでいたぼくの心を解かしてくれます。



子供を一匹しか生まなかったことから高齢の猫なんでしょう。

それでも、たぶん生まれて初めての名前になるんじゃないかな。

まず雨の音を連想した猫だけど、ぼくはこの猫に、自分の意思を込めて名前を付けることにします。

 


それはこの猫自身にも周囲にも幸せの響きをもたらして欲しいという願いでもあります。



この猫への感謝と祈りと、なにより、ぼく自身の意思をこめて、
この猫を『天音(あまね)』と呼ぶことにします。