その13  年収1000万円はいつのことか | あなたのとなりにいる 中年男子の本棚

その13  年収1000万円はいつのことか

あなたが年収1000万円稼げない理由。 田中和彦 幻冬舎新書 736円


著者は一橋大学卒業後、リクルート入社。人事課長経験後「週刊ビーング」、「就職ジャーナル」等の編集長を歴任。その後、キネマ旬報社代表取締役を経て、現在は”今までに2万人以上の面接を行ってきた転職コラムニスト”兼映画プロデューサー。

1年ほど前に購入しましたが、タイトルが直接的すぎて、本屋で手に取るのが少し恥ずかしかったのを覚えています。(支払いで後ろに並んでいる人が、興味ありげに私が手に取った本を見ていた様な気がしたくらいです。)

著者も断っていますが、この本を読んでも1000万円稼げるようにはなりません。
「今の仕事で良いのだろうか?このまま人事から命ぜられた仕事をするだけでは、ずっと自分の将来が見えてこないのではないか」などと感じている方には、最終的に負け組給与とならないような仕事に対する考え方、行動のヒントが書いてあると思います。

私はまさにその心境で、年齢的にも方向転換が可能な最終時期に来ていると感じています。今まで人事に都合よく使われているのではないかと。

私のいる会社はジョブローテーションを基本とした人事異動が原則ですが、その中でも専任職なるものが生まれつつあり、早くから自分の異動希望が叶えられた者は、そのままその得意分野で活躍できるようなシステムとなってきている気がしています。私は一度も希望が叶えられず、なかなかその専門性を高めることができません。

みなさんは職場、会社での境遇はどうですか?
給料さえもらえればいい。と思っていたら給与格差が広がりつつある時勢、最終的に負け組給与になってしまいますよ。と、警鐘を鳴らしている本でした。
でも、不本意な人事異動にNO!といえるなら、誰も悩まないと思いますが。


ここからは、私が1000万円稼げない理由です。

広く浅くその企業内でしか通用しないジェネラリストなど閉ざされた労働市場ならいざ知らず、ここまでオープンで自由な転職マーケットとなった今、全く価値がないのだ。

年収1000万円を稼げるかどうかは、今後のキャリアをどれだけ意識して、またどれだけ努力してものにできるかにすべてがかかっている。

自分はどの分野だったら人には絶対負けないというものを持っているか?、そのことをきちんと認識することである。能力でも性格でも、技術でも経験でも構わない。自分にとって武器になる何かを早く知り、その武器をいつでも使えるように、常に磨きをかけておかなければならないのだ。

資格を取る前にまず考えなくてはならないのが、「自分は何がしたいのか」。そして「そのために今の自分に何をプラスしていけばいいのか」である。自分の将来にとって使える資格でなければ意味がないのである。

具体的な目標がまだ定まっていないのなら、個人的に好きな方向に向かうということで構わない。要は自分で興味のもてる分野を探して、まずはそこで資格を取ろうと考えてみればいいのだ。

本当に自分の将来のキャリアを考え、その方がいいと思うなら、(異動命令に対するNO!という)自分の意志を貫くべきだ。たとえ、そのことが原因で会社を辞めざるを得ない状況になっても、結果的には自分の思うキャリアプランを優先させ、専門性を高めるなどした方がその後のビジネスキャリアでは、逆に働き口にあぶれることがなくなる可能性が高いのである。

会社というところは「社員一人ひとりを考えて人材育成している」等というものだが、実際はそんなことはないのである。自分のことは誰より自分自身が知るべきであり、自分自身が考えなくてはならない。

転職しなくても、年に4回自分の職務経歴書をアップデートする。

成功者には皆、熱(情熱)がある。熱を持つには、まず当事者になること。次に何事も前向きに考えること。さらに”熱”のある場所に自らを持っていくこと。



この本の中年男子「稼げない理由」納得度は ★×3.5くらい


あなたが年収1000万円稼げない理由。―給料氷河期を勝ち残るキャリア・デザイン (幻冬舎新書 た 3-1)/田中 和彦
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