その9  何かと話題のグーグルの本です。 | あなたのとなりにいる 中年男子の本棚

その9  何かと話題のグーグルの本です。

グーグル Google ~既存のビジネスを破壊する~  佐々木俊尚

文春新書 798円


著者は毎日新聞社記者(警視庁捜査一課担当)、月刊アスキー編集部勤務を経てフリージャーナリストになった方です。おもにIT関連の取材をしており「ヒルズな人たち」や「ライブドア資本論」等の著書があります。


この本の帯には「Google 破壊者か、全能の神か」と刺激的なコピーが書いてあります。
約2年前の平成18年4月に上梓されているためでしょうか。近所の古本屋で101円という格安価格で売っており、以前から興味があったテーマでしたので特に期待もせず購入して読んでみました。(こういうPC関連の書籍は内容と関係なくタイトルだけで、古本屋ですぐに安く売られるケースが多いような気がします。)

読んだ感想としては、今のところ特に古さを感じることもなく、むしろ著者が予期していたようなgoogleの事業展開になっており、興味深く通読することができました。

前回のブログで紹介した勝間和代氏の最新著書、「効率が10倍アップする新・知的生産術」では副題が「自分をグーグル化する方法」とあるように、最近雑誌でもグーグルを好意的に取り扱う記事が多いような気がしていました。 最近では週刊ダイヤモンドの「グーグル化」知的生産革命も購入して読みました。

すぐに感化されやすい私は、早速自分のパソコンにYahoo!と並べてGoogleをホームページにしたのですが、私はどうもgoogleの無機質な表示が苦手でついついyahoo!を利用してしまいます。

googleの強みは自分仕様にカスタマイズできることではないでしょうか。gmailをはじめとして、グーグルアラート、グーグルノートブック、グーグルデスクトップ等、使いこなせばかなり便利な機能があるようです。

私もgmailで自分宛てのメールを職場でも見れるようにしたかったのですが、何となく心理的な抵抗があり実現に至っていません。メールのコピーがgoogleのサーバに保管されることにです。

そして、今回紹介する本を読んでますますその思いが強くなってしまいました。

この本ではgoogleがもたらした効果として、ある弱小駐車場の成功を例に挙げています。羽田空港に近い駐車場でありながら知名度の低さから中々増えなかった顧客が、キーワード広告により格安の費用で顧客が増加した状況が、本文を読むと詳細に書いてあります。

逆に影の部分。これには著者のこれから起こりうる予想の部分も入っているのですが、現実に起こった事象が非常に興味深い。ある映画評論家のホームページにいきなり襲いかかった、アドセンス停止処分とアカウントはく奪処分のgoogle側とのやり取りが、生々しくて「さもありなん」と思ってしまいました。無料で利用している以上、問題が発生した場合の力関係が明白です。

つまり、グーグルが社会に公的なサービスとして受け入れられつつも、「そうともいえないよ、所詮一民間企業だよ」と著者が警鐘を鳴らしているような気がしました。もちろん、それをわかった上でgoogleのサービスを使い倒すのなら話は別です。こんなに便利なサービスが無料で使えるのですから。私もサービスの一部は利用するつもりです。(ここにもグーグルアドがいつの間にか貼り付けてありますし。)


もしこの本が古本屋で格安で売っていたら、購入してみてはどうでしょうか。
もちろん定価で買っても新書で安いし、私は価格以上のものがあったと思いました。

この本の中年男子グーグルか?度は ★×4.25


グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)/佐々木 俊尚
¥798
Amazon.co.jp