その8 タイトルは魅力的「非属の才能」
非属の才能 山田玲司 光文社新書 735円
タイトルに惹きつけられ、新書で安いから購入して読んでみました。
著者は漫画家で「Bバージン」や「ゼブラーマン」を書いている。私は漫画はあまり読まないので、著者の漫画家としての評価は分かりません。
帯に「行列なんかに並びたくないあなた。おめでとうございます」とあり、またページを開くと
・「空気が読めない奴」と言われたことのあるあなた
・まわりから浮いているあなた
・「こんな世の中おかしい」と感じているあなた
・本当は行列なんかに並びたくないと思っているあなた
・のけ者になったことのあるあなた
おめでとうございます。
とあります。私はここまで立ち読みで眺めて、「あ~これは私のことが書いてある」と思って買いました。
でも、これはおそらく出版社がこの本を売らんがために考えたコピーでしょうね。冷静に考えれば、誰でもひとつは当てはまるのではないでしょうか?私は3つ当てはまりましたが多すぎますか?
自分で考えて判断する大事さ、世間一般の評価で右往左往する愚かさ、等を説くのは今となっては少し言い古された感がしました。むしろ個を尊重するばかりに、今は社会の色んなところで歪みが出ているような気が私はしますが。
「引きこもりは人生のジャンピングチャンス」、「学校嫌いは才能のサイン」等は理解できる点もありつつ、「?」と思うところがありました。著者が紹介している非属の才能の方々が、皆そうであったわけではないですし。可能性があるかもしれないから諦めないで、くらいなら賛同できるかも。一応、著者が最後のほう「得する変人、損する変人」でそこら辺を勘違いしないよう注意しているので救われます。
読んだ感想。
未だに学歴が一番大事と思っている方、寄らば大樹の陰と思っているお父様・お母様、3高(古っ)の男性と結婚したい女性には、読んで頂きたい本です。
ここからはこの本の非属の言葉です
1%の「分かりやすくない才能の芽」を見つけてあげるのが本来の親の役割のはずなのに、子供が凡人になるのは親がそう仕向けているからなのだ。
自分の価値観は自分の世代で終わり。自分の人生は支えてくれたかもしれないが、子供の人生は子供が考えるものだから邪魔はしない。
子どもの未来は「親が子供の失敗をどれだけ許せるかで決まる」と考えていい。
みんなの行く方向にただついていくことに慣れてしまうと、正しいとされることを必死で努力しているのに、いつまで経っても報われない事態になることが間々あるということだ。
正しいか正しくないかは別として、カジノの「逆張り」のように、主流な意見や動きがあれば、その180度逆をひねくれながら攻めるのだ。
人生を変えた出会いはたいてい「なんとなく直感」で決めたときに訪れることが多い。
「三人寄れば文殊の知恵」と言うが、それは自分の頭で考えることができる人間が集まったときの話で、「三人寄れば場の空気で」といったことのほうが多いのが現実だろう。
「こうすればオイシイ思いができる」という立場の人たちが「どうでもいい」と思っている人たちをコントロールして多数決は決まるのだ。
小学生の頃から「本当の自分はどうしたいのか?」を考えていれば、大人になってから無理してインドに行かなくてもすむはずだ。自分探しとは、自分の「非属の才能」を見つけることに他ならない。
(引きこもったときに)少しずつ頭がクリアになってきたら、今度は自分で創るステージに入るといいだろう。創る対象は何だっていい。ここで重要なのは、決してそれを人に見せないことだ。
自分が孤立してようが、自分の子供が孤立してようが、その時本人が何かにひたすら向き合っているならば、心配することは全くない。
自分を認めて欲しければ、まず他人を認めるしかないのだ。
話を聞くことができない自分人間は、会話に「でも」と「だって」が多い。否定から会話に入る人間が本当に多くてうんざりする。「ていうか」になると問題外だ。
話を聞く時間は自分の意見をあえて言わず、ひたすら相手の言わんとすることを聞く努力をするのだ。
最後に、中年男子の非属の感想度は★×3
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