2023/8/3()4 ()    メンバー:L内海、竹尾

 

静岡県山岳・スポーツクライミング連盟の依頼による南ア登山道のパトロールを兼ねて茶臼岳に登

る。山頂よりの素晴らしいブロッケンと滝雲に遭遇、記憶に残る山行と成った。

 

8/2(水) 晴れ

桜木ホール(17:10)=千頭=井川(18:10)=沼平P(20:10)車中:泊

晩方に掛川を出発。島田より大井川沿いに車を走らせて、井川から畑薙ダム、沼平のゲート前駐車場へと約3時間で到着。心配していた駐車場も平日とあって約20%の入り、余裕を持って駐車することが出来た。晩飯兼明日からの天候を祈り乾杯すると、シュラフに潜り込んだ。

 

 

8/3(木) 晴れ

沼平P(5:45)-畑薙大吊橋(6:35)-ヤレヤレ峠(7:25)-ウソッコ沢小屋(8:50)—中ノ段(10:00)-横窪沢小屋(11:00)—樺段(13:30)-茶臼小屋(14:40):泊

沼平のゲート横、指導センターのポストに登山届を入れると車道を歩き出す。リニア

工事の関係か?道路は綺麗に舗装された。約30分、舗装道路歩きにウンザリするころ畑薙大吊橋と着いた。

 

 

長い吊橋を渡る。足元のアルミ板の上には動物の糞が何個かある。この橋を動物も渡る様だ。ヒト登りして鉄塔の先からヤレヤレ峠へとトラバースの道と成る。相変わらずザレたヶ所の通過には足元に神経を使う。

 

 

ヤレヤレ峠からは上河内沢に向かい降る。数年前の豪雨で流された一号橋・三号橋は立派な吊橋に変わっていた。問題は6月末に発生した三号橋先の斜面の崩落。地元山岳会の努力で整備された数十メートルを沢沿いに歩く。増水した場合には通過は困難と成るだろう。

その先もしばらく沢沿いを石に付けられた赤ペンキマークに従い進むと、急峻な斜面をロープと手摺の取れた梯子に導かれて登り登山道へと戻る。その先に小屋が現れた。

 

ウソッコ沢小屋は無人小屋、小屋の先で吊橋を渡ると急峻な登りが始まる。ここに取り付けられ梯子もだいぶ傷んで、足場板が取れたヵ所は慎重な歩きを求められる。九十九折れの道を登り、一息入れたい時が中ノ段と成る。その先も登りが続くが、トラバース気味に成ると横窪峠は近い。

 

 

 

慰霊碑が建つ峠は、旧道にはトラロープが張られ、左手の尾根道に進む。直ぐに右手下に小屋の赤い屋根を見て横窪沢に下ると丸木橋を渡る。この丸木橋は取り付けられた横板が、痛みが進み不安定、通過は緊張させられる。荷が大きい場合は沢を渡った方が無難だ。

 

着いた横窪沢小屋はコロナ禍以降無人、避難小屋として一部が解放されていた。水場も給水が無く。先ほど渡った沢で補水する必要がある。

 

 

横窪沢小屋で一息入れると再び樹林帯へと歩き出す。斜面から尾根道へ変わり、現れた水場はポタリ・ポタリ程度、カップ一杯にするには10分程度か?

 

その先に樺ノ段が現れた。ここまで来れば茶臼小屋までは1ピッチ、何とかメドが立つ。本当にここがヤレ・ヤレだ。尾根登りから左側の斜面に道が変わると、木々が低木に変わり視界が広がる。前方に赤い屋根が見え出すとこれが目指す茶臼小屋。小沢を渡り着いた小屋、今年の営業は食事なし。

但し、ビールは有る、有難い。水場で冷やされビール、代金は箱に中にと何とものどかだ。

 

8/4 (金)  晴れ

茶臼小屋(5:30)-稜線コル(6:00)-茶臼岳(6:30~6:45)-茶臼小屋(7:30)-樺段(8:10)-横窪沢小屋(9:30)-中ノ段(10:20)-ウソッコ沢小屋(11:05)-ヤレヤレ峠(12:40)-畑薙大吊橋(13:30)-沼平P(14:30)­=白樺温泉(14:50~15:50)=掛川(18:30)

 

ガスに包まれ日の出は見られず。不要な荷物は小屋に行き茶臼岳へと向かう。小屋から稜線コルまではわずか。森林限界を超えた低木のカンバやハイ松帯を登って行く。稜線に出ると次第に霧が晴れ、青空が見え出す。気分の良い稜線歩きで茶臼岳山頂を目指した

 

 

熟練者向きと書かれた鳥小屋尾根への分岐を過ぎると、前方の岩場の上が山頂。何時しか霧は晴れ、上河内岳、聖、兎、赤石と南アの山々の連なりが見える。そして先ほど小屋から登って来た稜線上の鞍部には遠山側から大井川側に見事な滝雲が流れていた。そして富士山もしっかりと姿を見せていた。

そんな眺望を楽しんでいると現れたのが見事なブロッケン。虹の輪が三重と成った今までに見たことのないブロッケンだった。しばし我を忘れて見とれる。そして消える前にと慌ててシャッターを切った。

 

素晴らしいブロッケンに名残惜しみながら下山、小屋で荷物を回収すると往路を、若者にさっそう沼平に降り立った。帰路は白樺温泉で汗を流して井川を後にした。    (記:内海廣治)