これまた、毛色が違うサスペンス・・・。
今時であり、言ってみればやり尽くされたテーマとも言えますが、テーマを扱う最善手が、技術の進歩によって見つかった感じ。
僕は、日本以外の国に住んでいた経験があるのですが、その国々では、変な新しい法律が生まれては消えていきました。
「とりあえずやってみよう」とか「偉い人がキレてるなぁ」みたいなのが。
日本ではなかなかないから、(いいことなのですが)やはりこういう作品はあまり生まれないのかもしれません。
だからこそ「PLAN75」等は、素晴らしく脚光を浴びたんだと思います。
民間の作った何かが、国の認可が降りる前に暴走するっていうのもあるあるですよね。
やっぱり、便利のさきには、行き過ぎた娯楽があるのかもしれません。
気味の悪い熱狂。
あれだけのことがありながら、サークルを改善しようとするメイもまた、完全に狂ってしまっているのかもしれません。
でも、そっちに進む作品はあまりないから、そこからの流れも、目が離せなかったです。
こういう作品は、大概主人公が不幸に見舞われることが多い。
だけど、この作品は、主人公のせいで周囲が不幸になる。
やるせなすぎますよね。
なのに、君はそっちに進むのかい?と。
だからこそ、メイの復讐には、ビックリしました。
なんだ、そういうことだったのか!
よかったよかったと思いつつ、復讐する相手って、それだけで合ってる?
みたいな。
愚かな結局大衆はずっと変わらない。
悪いヤツが晒されて、罰を下す権利の無い人々から罰を受けるエンド以外の終わり方を、そろそろ我々は考えていかなければいけないと思います。
作品の中でも、社会の中でも。
「その先」がチラッと見えたような気がした、作品でした。