印象派の巨匠エドガー・ドガの代表作『ニューオリンズの事務所の人々(綿花取引所、オフィスでの肖像)』。1873年から一時的に滞在していたアメリカ時代で制作された数少ない作品の中のひとつである本作は、ニューオーリンズの綿花取引所とそこで働く人々の姿で、資本主義社会への風俗的場面展開が良く示されている。
1876年に開催された第2回印象派展に出品された本作は、画業の初期における群像肖像の集大成的な作品としても位置付けられており、画面中央には新聞を読むルネ・ド・ガス(画家の兄弟のひとり)、中央やや左寄り部分の最前景には綿の品質を確かめるミシェル・ミュッソン(画家の叔父)、画面左端で窓壁に寄り掛かるアシル・ド・ガス(画家の兄弟のひとり)、画面右部分には帳簿を付けるリヴォーデ(ミュッソンのパートナー)などドガの一族で運営される綿花取引所の日常が過不足なく、ありのままに描写されている。
