日本の浮世絵からの影響が感じられる | 野球グローブは色々

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  さらに本作には少女が手にする一輪のカーネーション(赤色のカーネーションの花言葉は『母の愛情』であるが、図像学的にはキリストの受難を表すとされている。)や母の慈愛に満ちた表情など画家の作品としては珍しい(世紀末に流行した)象徴主義的な要素が示されている。

 

  表現手法としても本作の明瞭な色彩、特に戸外の緑色と母親が身につける紫色の衣服の色彩的対比は秀逸な出来栄えをみせているほか、明確な輪郭線や平面的な構成要素の描写に日本の浮世絵からの影響が感じられる。

  このように本作は画家の個性が良く示された良作であると共に、象徴主義的な表現など特別な要素も含んでいる作品として非常に重要視されている作品のひとつでもある。