ハンフリー・ボガート。
私の最も好きな俳優である。
1899年生まれで、1957年没。
ボギーが他界した年に、私は生まれた。
そう、「カサブランカ」のイメージが強い。
主役になる前は、ギャングものが多く、
エドワードGロビンソンやジェームス・
キャグニーの脇役だったりして、概ね
悪役が多かった。
その後、探偵ものに変わってきて、
「マルタの鷹」のヒットによって、
ギャングイメージが払拭されてきた。
そして、1942年「カサブランカ」の一大
はまり役で、不動のスターの位置を確保
した。
まあ、何回も良く観ましたこれは。
レーザーとVHSボックス、買いました。
ボギーとの出会いは、大学時代、やはり
カサブランカだった。
それからマルタの鷹のかっこよさに憧れ、
タバコの持ち方も真似てみたものだ。
親指と人さし指で、火元を手の内側に
構える。
ハードボイルド。
卵の殻は固いが、中身は柔らかい。
見た目は硬派だが、実は暖かく脆い。
この姿もはまった。
カサブランカ後の、「脱出」「三つ数えろ」
「キーラーゴ」が最高だ。
特に、ローレン・バコールとのコンビは
男勝りのバコールの強さが、ボギーが
負けそうでいて突っ張る関係が絶妙だった。
その頃、日本でもある程度ボギーは認知
されていて、しばしば題材になった。
沢田研二の大ヒット曲「カサブランカ・
ダンディ」で、「ボギー、ボオーギー、
あんたの時代は良かったぁ~」と
歌っていた。
また、松田優作が「探偵物語」で工藤ちゃん
のキャラとして、ボギーのような渋い役柄を
希望されたところ、「ボギーなんか、捻り
鉢巻したら、すし屋のおっさんじゃないか」
と言って断ったエピソードもあるらしい。
ボギーの映画は殆どが白黒で、当時でも
あまりテレビではオンエアされなかったが、
それでもたまに深夜番組で、わくわく
しながら観ていた。
VHSで録画して、何度も観ていた。
今はDVDと言うことになるが、市販の
DVDボギー作品は、知る限り、この程度
余り種類が出ていない。
まあ、売れないんだろうけど。
最近、休みの前の深夜に、これらを立て続け
にDVD鑑賞している。
晩年は、「黄金」「アフリカの女王」
「ケイン号の叛乱」「麗しのサブリナ」
「裸足の伯爵夫人」など秀逸な作品を
残しており、「アフリカの女王」では、
遂にオスカー主演男優賞を手にしたので
ある。
遺作の「殴られる男」は、ホロリとくる。
亡くなる前年の作品だ。
とにかく、年輪が刻まれた顔が好きで、
ちなみに、鉛筆画です。
40年前に描いたもの。
私はいまボギーの歳を既に越えたが、
ここまでシワはないよ。
かつて新婚旅行で、ハリウッドのボギーの
手型足型にもお目にかかれた。
役柄は、いつも強い男のイメージが強いが、
一方でどこか弱気の表情や、小柄な
キャシャなところがあって、なんだか
精一杯強がっているのではと感じる
ところが、とても好きだ。
ハードボイルドを地で行った、古き良き
時代のハリウッドの名優である。
古き良きひとり映画を夜に観る
おそまつ。