湯気でうっすらと見える小さな出口。


痛い手首で、思いっきり、出口のとってを引く。


サンダルをひっかけて、表にでる


露天風呂へ降りる階段には、凍らないように


常に、お湯が流れている


外気で冷えた体を、湯にすーっとすべらす


最高、貸切じゃん!!


私一人の湯船は、広すぎて、


私一人入っただけで溢れ出る湯は、贅沢で、


見上げれば、雪。


見上げた顔に、サラサラと雪がふり、


直ぐ解けて、湯の中に消える


湯の外は、真っ白。


木々は重たげにうなだれる


湯の中で、手足を思いっきり伸ばす


普段痛い関節も、湯の中ではおとなしくなる


重い体も、ゆらゆら揺れる


湯の溢れる音だけの


静かなしずかな、露天風呂



(27日 遊 湯にて)