巷でよく言われるワキガになりやすい人は耳垢が湿っている、これは遺伝子が関連していると言われています。
今でこそ当たり前のように感じますが、そのきっかけは意外に日本人の疫学調査がもとのようです。
解剖学者であり人類学者でもあった足立文太郎が東洋人より欧州人に腋臭症が高い頻度で認められること、腋窩のアポクリン腺と外耳道の耳垢腺が組織学的に似ていることから、湿っている耳垢を確認することで腋臭症を予測しました。
そして実際に長島次男が
日本人男女 2,937 人を対象として、腋臭症と湿った耳垢の関連に関する疫学調査を行い、
湿った耳垢の人は 467 人(約 16 %) で、その中で腋臭症である人は 77.3 %であったと報告しています。
この調査が90年前の1934年にされていたのは驚きですよね
そしてその論文は
長島次男:本邦人ノ耵聹腺及ビ耵聹殊ニ腋臭症トノ関係に就テ.皮膚科泌尿器科 雑誌 36: 690︲704, 1934
興味ある人は見てみてください。皮膚科でなく皮膚科泌尿器科っていうのも歴史を感じます
そして更に2006年になり、
ABCC11 遺伝子がヒトの耳垢のタイプを決めるということも日本人が発見したようです
耳垢のタイプは湿型と乾型に分けられます。
日本人の70~80%が乾型とされ、一方でヨーロッパ人、アフリカ人では、ほとんどが湿型で、ヒトは、もともと湿型の耳垢だったと考えられています。
ちなみに遺伝形質でいうと湿型が乾型に対して優性です。なんか遥か昔にどっかで勉強した記憶がありますね
耳垢ひとつでヒトがどのように大陸を移動していったかを考えるのは少しロマンを感じますね
腋臭症の治療をしながら色々と調べていたら興味深い記事だったので書き残しておきます。
そろそろ梅雨明けそうで、夏も近づいてきましたね。汗、ワキガの相談をいつでもお待ちしております。
下はこないだ蛍を見に行った時の写真です。
肉眼では綺麗だったんですが、流石にスマホではあまり映らないですね。。w