以前、パーソナリティ障害や依存症の方が多く訪れるとある私設のカウンセリングルームでカウンセラーとして勤務する条件として、私自身もカウンセリングを月一回は必ず受けるよう指示がありました。


心理カウンセラーを志す者は、自身もカウンセリングを受け、自分が抱える問題を認識し、整理しておくことが望ましいといわれています。


これを教育分析と言います。


でも、実際に教育分析を受けるカウンセラーは多くはありません。


そのカウンセリングルームの室長からどうしても学びたかった当時の私は、働かせてもらうためならと、教育分析を受け始めました。

 

今振り返ると、生活も、気持ちも、人付き合いも安定していた当時の私には、通常の生活していくだけならカウンセリングは必要なかったと思います。


でも、今の自分の臨床に至るには欠かせないプロセスでした。あれから10年以上が経ちましたが、当時受け始めたカウンセリングはスーパーバイズを主な目的に変えつつも、現在も継続しています。

そして、カウンセリングは、自分の臨床力を維持するためにも、磨くためにも、どんな本やワークショップや研修よりも効果的だと実感しています。

 

「悩んでいる人の話は、悩んだことのある人しか聞けない」

 

という言葉をよく耳にします。

一部、正しいと思います。

例えば、断酒会など、同じ悩みを抱えた方々のグループは専門家の治療以上に有効です。


でも、これ、話を聞く側がカウンセラーではない隣人・友人・知人などの場合にのみ正しいのです。

 

話を聞く側がカウンセラーとなるとむしろ逆です。


つまり、、、


今現在、目の前のクライアントと同じ悩みを抱えているカウンセラーは、クライエントを正しく導くことはできません。


カウンセラーがクライアントと同じ悩みを抱えている場合、「それ、分かるよ」と言えます。そして、クライアントがカウンセラーと同じ考えを示した場合、「それで良し」と言えるでしょう。でも、クライアントがカウンセラーと反対の考えを示した場合、「それはよろしくない」と言うかもしれません。まだカウンセラーもその問題を解決していないのに。そして、どの解決に辿り着き、何が一番かは、人それぞれ異なるのに。


先にも触れましたが、同じ悩みを抱えた人との出会いは、何事にもかえがたい強力な支えとなります。断酒会など、同じ悩みを抱えた方々のグループが、時に専門家の治療以上に有効な理由の一つは、言いっぱなし、聞きっぱなしのルールがあるからです。これは、同じ悩みを抱えたカウンセラーとの間には成立し得ない特殊なコミュニケーションです。 


同じ悩みを抱えた人との出会いを求めるなら、自助グループを利用しましょう。

地域単位で様々なグループがあり、無料です。先ゆく先輩の話が参考になります。あなたの体験が、後輩の支えになります。


自分が苦労したからこそ、同じような悩みを抱えた人々を助けたいと思ってカウンセラーを志す人は沢山います。その志しと、苦労と、優しさを最大限活かすことが出来れば、他と比にならない良いカウンセラーになれます。


なぜカウンセラーになったのか、自分のこれまでの人生の何が今の自分を自分にしたのか、頭では理解してるかもしれません。

でも、それ以上が必ずあります。

教育分析を受けましょう。

わだかまりを解消し、自分の癖を知ることで、目の前のクライアントの苦しみにまっさらな状態で真っ直ぐ向き合うことが初めて可能となります。


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