のだめカンタービレ。2007年くらいから大流行したドラマ。覚えていらっしゃる方も多いと思います。クラシック音楽があれほど巷に溢れたことがそれまであったであろうか(いや、無い)。
元は漫画であったけれど、オケに青春を捧げた中高年が当時を思い出し全巻読み漁った、という人もいたのではないだろうか。そんなニュースを当時見た記憶がある。私もその一人。社会人になってもオケは続けていたけれど、やはり学生の時とは状況が違う。もちろん漫画は大人買いし、全巻今でも持っている。
さて、この漫画に出てくる曲。ピアノだけでなくオケ曲も多いのだが、やはりピアノ曲で不知のものが多かった。キャリアとしてはオケの方が長いので、知ってる曲や練習した曲は圧倒的にオケ曲が多い。こちらに来てからピアノのレッスンを始めたのだが、先生が呆れるほど曲を知らなかった(^▽^;)。だからいつも選曲は先生に丸投げお任せ。
そんな中、自分からやりたいと申し出た曲の一つがこのシューマンのピアノソナタ第2番であった。あの1楽章の迫り来る感じを弾いていた「のだめ」がとても新鮮でやりたいと言ったものの、先生の反応は今ひとつだった( -- -- )←こんな顔。
私の先生はシューマン弾きで、シューマン国際コンクールで優勝した経歴を持つワールドワイドのピアニストである。自分の専門であるシューマンの曲を、私のような者が弾くのは100年早い( ̄‥ ̄)=3 と思ったに違いない。技術的にもかなり難曲であることはわかっていた。でも、最後には全楽章やることを条件に(渋々)許可してくれた。
冒頭部分だけ。自分の楽譜を探したが見つからなかったので借用。
始めたのはいいがそのあとは大変だった。とにかく技術面で難しい上に、音楽的にもカオスが続くために頭がついていけず・・・。特に4楽章はカオスの嵐だった・・・。あの頃は1日何時間練習しただろう。6-7時間はしていたと思う。今はもう気力も体力もないのでできないが。それでも遅々として進まず・・・。終わりが来ないのではないかと不安にもなったり。他にやってる曲はバッハとかツェルニーとかだったから、2月の発表会は必然的にこの曲しかない。精神的にも追い込まれましたなぁ。
結果、発表会には間に合ったが余波があった。多分この曲の練習で手首の状況がかなり悪かったのだと思う。特に痛かったりした訳ではないので気がつかなかったけれど。発表会直後の週末にちょっとしたことで手を捻ったら、そのまま重症の腱鞘炎に突入。日常生活にも支障が出るほどの酷さ。親指から手首までしっかりサポートするサポーターを毎日つけて固定して。結局、丸々3ヶ月レッスンをおやすみする羽目に・・・(ノ_・、)。小さい腱鞘炎はちょくちょくあったもののこれを皮切りに4、5年に1回は大腱鞘炎に悩まされることになった。
いろんな意味で忘れられない曲です。