Kirscheのブログ


おいしいバーベキューディナーも堪能し、カジノしに遊びに行った翌日は、さぞかし練習に身が入るだろう( ̄ー ̄)、という予測に反し、実は結構重大なことが起こっていた。

初日に主催者兼バイオリン講師のダーンから知らされたのだが、バイオリンのゲイルとピアノのエミリがこの日朝早くこの地を発ち、ゲイルの姪の結婚式に行く、ということ。戻ってくるのはこの日の夜。ということは、午前も午後も一切グループ練習はできないということ( ̄□ ̄;)!! 明日本番なのに!!

初日の話では予定通りダーンが来るということだったので、ゲイルがシューマンのトリオの楽譜をチェロのクリストに託していた。9時半からの予定だがダーンは来ない
(  ̄っ ̄)。二人ではやることもないので、私は側のピアノでベートーヴェンの「月光」の一楽章を弾いた。

家では暗譜できていたのに、なぜかここでは最初から弾いたつもりが再現部からになってしまい、あっという間に終わってしまった(なんじゃこりゃ)(┳◇┳;)。

また弾くのも躊躇したので、今度は練習のつもりでショパンの「幻想即興曲」を。こちらは完全暗譜していたのでそれ自体は問題はないが、いかんせんまだ練習中なので、あちこちひっかかり突っかかり状態(^▽^;)。この間、クリストは椅子の上で座りながら半分寝ていた(こんな音の中でよく寝れるもんだ←陰の声)。

そんなとき、もう一人の主催者が誰かを伴って部屋に入って来た。ダーンはどこかと聞いたら、別グループのコーチングに行っていて、10時半頃ここに来る予定とか。それだけ言うと、彼女たちはバタバタと部屋を出て行った。

10時半までどうしたもんかo( ̄ー ̄;)ゞと思っていたら、クリストが急に

「ピアノ弾くのやめないで。すごくリラックスするから」

と言い出した。

「え(  ゚ ▽ ゚ ;)、でもみんな練習中の曲だからうまく弾けないよ」

「そんなのは構わないから」

「・・・!(@ ̄Д ̄@;)」

言うやいなや、チェロを置いて数メートル先の並べられた椅子の上に横になってしまった。

まあ、時間までは私たちがこの部屋を使えるし、と思った私は本格的にピアノの練習を始めた。持って行ったバッハのパルティータを、一番のプレリュードから弾き始めたのだ。

途中間違えたり、弾き直したり、部分的に練習したりとかしながらも、どんどん弾き進めていっていたのだが・・・・。

実は弾いている間、何というか今まで味わったことのないものを感じていた。言葉で説明するのは難しいのだが、発表会やコンサートで聴いてる人がいる、というのと全く違う感覚というか・・・。

家で個人練習している時も、先生のところで弾いている時も、友達の家で弾いている時さえも味わったことのない不思議な感覚(* °O °*)。

多分「リラックスしている」という言葉が引き金になったのだと思う。ずっとほんわかした気分(*^‥^*) で弾くことができたのだ。誰かが聴いている、ということがプレッシャーにならなかった( ̄0 ̄;。

いつもならどれだけ上手く弾くか、どういう練習をするか、どれだけミスタッチ無しで弾けるようになるか、とか自分との戦いのような弾き方しかしてこなかった。私が弾くピアノを、常に誰かに審査されている感じしかしなかった。いつも神経を研ぎすまして弾く感じ。

Kirscheのブログ でも、この時は違う。雰囲気が違う。空気が暖かい。窓から入ってくる日差しが柔らかい。

リラックスしていたいから弾いてて、という信じ難いお言葉を頂戴したせいなのか(こんなこと初めて言われたぞ(*_*))。それともバッハの曲がよかったのか。

パルティータの3曲目か4曲目辺りで、軽い寝息が聞こえて来た。全てが一体化したその空間は、本当に不思議な雰囲気に包まれていた。

別に聴かせなくちゃとかそういう雑念は一切思い浮かばなかった。ただただ、不思議な気持ちで弾いていた(* ̄。 ̄*)。とにかく、ただ弾いていることが、とても幸せに感じたのだ。こんな感覚を味わうことはもうないだろうなぁ・・・( ̄ー ̄)



10時半頃に、ダーンが講師陣と連れ立ってやってきた。グループの半分のメンバーが居ないので練習にならないし、自分たちの練習に悪いけど充てさせてほしいとのことだった。

実はこの日の夜は講師陣のコンサートだったのだ。これは10ドルくらい頂戴する、本格的なコンサートなのだ。勿論私たちは無料だが。ということで、私たちは解散した。

・・・

いきなりだが、今日の昼食はこれ。
Kirscheのブログ 右はクラムチャウダー。野菜と貝のクリームスープ。サンフランシスコ名物である。

丸いサワードフの上部を切って中をくり抜き、そこにこのスープを入れて食べる。スープの容器がパンということ。サンフランシスコの観光地ならどこでも食べることができる。

左側はサラダとパン、メキシカンの豆の煮物(既におなじみ)。


昼食の後は、ほとんどのグループは自由時間v(^-^)vになる。ハイキングに行ったり、釣りに行ったり、過ごし方はいろいろ。

私はどうしたかというと、ダーンに無理矢理時間をとってもらい、ビブラートのレッスンをしてもらった。そこで問題点がはっきりし、これからどういう風に直していくかも判った。それだけでなく、ビオラが目立つ所も少しばかり見ても
らった(*^ー^)ノ

本当は個人レッスンにつけばいいのだが、ピアノだけで精一杯。練習する時間はとれないし、ピアノの練習時間は削れない。他にもやっていることはあるので、今はちょっと無理(-""-)

結局5時までずっと練習してた。こんなにビオラ弾いたのは初めてでは?(──__──)


夕食の後は講師陣のコンサート。この話はその2で。