今年5冊目読了。

プロのコーチング・スキル 相手の能力を最大限に引き出す!すごい聴き方・伝え方 PHPビジネス新書 [Kindle版]
播摩 早苗 (著)

★★★☆☆ コーチングをする際のスタンスを知りたい方におすすめ

著者は(株)フレックスコミュニケーション代表。HBC北海道放送にアナウンサーとして勤務後独立。コミュニケーション心理学、自己表現、コーチングを学び、2001年フレックスコミュニケーション設立。自らも講師として、企業内の管理職研修、プレゼン研修、メディア対応研修のほか、女性のためのコミュニケーションセミナーなどを中心に活動する。ラジオ・テレビ番組出演、経営者・管理職対象の講演などを通し、コーチングの普及活動も活発に行なっている。
プロコーチのスキルを身につければ、コーチングはこんなにも進化する。部下一人ひとりだけではなく、組織全体も活性化させる手法が本書のテーマ。

コーチングとは本人の問題解決を手伝う立場であって指導する立場ではない。結局、問題は自分で解決するしかないのである。コーチングの究極の目的は「自分が生まれてきた意味を知りその意味をまっとうする生き方をする」をすること。テクニックというよりかはコーチングの基本理念に寄った解説本という位置づけの印象。コーチングをする際のスタンスを知りたい方におすすめ。

【学びのポイント】
1)自分の行動で乗り越えていくしかない
 ・ひとは問題が起こると、多くの場合「自分の期待値と現状が離れている原因は他者にある」と責任を転嫁しがちです。
 ・そのため次の「行動」をとることに気持ちが向かわない場合があります。
 ・「相手のあることですから、私が行動をとっても……」と及び腰になってしまうのです。
 ・そんなとき、「この問題を解決して、すっきりしたいはず」というコーチの思い込みで、「じゃあ、どうしますか?」ときいても行動プランはなかなか出てきません。
 ・ですから現状をきいたら、「このあと、何を明確にしたいですか?」とクライアントに会話の流れをゆだねていきます。
 ・もし、クライアントが解決策を計画したいというのであれば、まず「現状をどういう状態に変えたら満足か」を確認します。これが「望む姿」となります。
 ・クライアントにとって明確な目標(望む姿)があるなら、そこからの考え方は、「目標と行動のコーチングフロー」と同じです。
 ・現状との間に隔たりがあるのですから、たとえ他者が絡んでいても、クライアントは「自分の行動で乗り越えていくしかない」のです。

2)コーチングで「最悪の結果」を考えることは禁忌ではない
 ・「恐さの本質」をきいていく質問は、 「今、すべきと考えている行動をとった場合の最良の結果、最悪の結果は何ですか?」 「影響が及ぶ範囲は何が考えられますか?」 「最悪の場合、失うものは何ですか?」などです。
 ・これらが明確になることで、行動をとった場合の結果が見通せます。
 ・ひとは「対処可能感」をもつことで行動を踏み出せるのです。
 ・ですからこれらの情報を一緒に見ていくことで「動ける自分に近づく」のです。
 ・このように、コーチングで「最悪の結果」を考えることは、禁忌ではありません。
 ・「障害の正体」が分かっているから乗り越える方法が明らかになるのです。
 ・「最悪の結果」をシミュレーションして、そのうえで軌道修正をしたり、何かをプラスしたり、対策を講じるのは目標に向かっての「前進」と言えます。

3)あなたの人生なのに、言い訳のせいにしていていいのか?
 ・言い訳をするひとの中で何が起こっているか見ていきましょう。
 ・たとえば約束をしたけれど、気が進まないというときは誰にでもあります。
 ・「何とかやらずに済ませたい」と決めて、言い訳をしているときの自分の内側を思い出してください。
 ・思考は、能力、仕事、時間、家族、あらゆるものを動員して「行動できない理由」を探し、どう断ろうかに向かいます。
 ・「飲み会の約束をしたけれど、どうしても気が進まない」などという些細なことでも、「他の仕事の締め切りが迫っていて段取りができていない」「こどもが熱を出して」など体裁のいい言い訳をクリエイトします。
 ・ところが、言い訳探しを繰り返していると心はとても疲れます。
 ・言い訳を探している間、前進することに使うべきエネルギーを、現状に留まるために浪費しているからです。
 ・クライアントがこのような状態に陥らないよう、コーチは、コミットした目標と現実の行動との間に矛盾があったら、それを話題にすべきなのです。
 ・クライアントを追い詰めてはいけませんが、「自分との約束」にウソがあったら「妥協」してはいけません。
 ・「あなたの人生なのに、言い訳のせいにしていていいの?」という考え方でいて欲しいのです。

4)自分が生まれてきた意味を知りその意味をまっとうする生き方をする
 ・コーチの仕事の究極の目的は、「クライアントが理想の生き方ができ、幸せを継続的に感じられる」ように支援することです。
 ・では、「幸せを継続的に感じる」というのはどういう状態でしょうか。
 ・「幸せ」の価値観はそれぞれで、まさに百人百様です。
 ・ただ誰にでも共通した「幸せの考え方」があるとしたら、自分が生まれてきた意味を知り、その意味をまっとうする生き方をすることではないでしょうか。
 ・それは、「存在意義」という言われ方をし、存在意義にかなった生き方を「自己実現」と言うこともあります。
 ・コーチングを始めるとき、存在意義、自己実現と言うと「自分とは遠い話」と感じるクライアントが大勢います。
 ・「自分は特別ではない」「何か才能があるわけではない」「平凡だから、大きな目標なんてもてない」と決めてしまっているので、ことばをきいて引いてしまうのです。

5)幸せを継続的に感じられる生き方に挑戦するチャンスは誰にでも与えられている
 ・コーチをしていると、幸せを継続的に感じられる生き方に挑戦するチャンスは誰にでも与えられているのだと思います。
 ・たとえば、もっとも自分に合っていると感じられる仕事やミッションをもち、自分の成長などの目標に向かって、楽しく行動している状態が続いていることは幸せです。
 ・あるいは、「それをしていると時間を忘れて没頭できる」と感じている作業を続けて、自分が自分になりきっているような体験は幸せです。
 ・このような、「目いっぱい自分が表現されているという瞬間の積み重ね」が、幸せを継続的に感じる生き方であると私は解釈しています。それならば、「私にだってある!」と感じてもらえると思います。
 ・そしてコーチングは、大人が自分の幸せについて真剣に考えてもそしりを受けることなく、まったく恐れずに話せる時間でなければなりません。
 ・クライアントがコーチを雇うときの目的には「行動」に焦点が当たっていることが多いのです。何か行動を明確にしたいのです。このこと自体に問題はありません。
 ・しかしクライアントが潜在的に欲しているのは、実は「幸せを継続的に感じられる生き方」つまり、「心のあり方」なのです。