レースで大切な「マッチ」を燃やすとは? | 凡人は努力が全て -ロードレース挑戦記-

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努力系凡人ロードレーサーの備忘録。

今回はJBCFのみならずホビーレースに参加する方々にも関係のあるトピックです。

 

自転車レースに参加されたことがある方なら誰しも経験したことのある「力尽きた」という感覚。

 

そうなってしまった際に「今日は周りが強かった」「補給の配分が上手くいってなかった」という言葉だけで片付けてはいないでしょうか。もし仮にそうであれば実に勿体ない!

 

本日はパワーメーターを活用したレースの分析方法を自分のデータを交えながらお伝えします。

 

まず「マッチ」とは何か。

 

あまり自転車ではマッチを燃やすという表現はあまり聞きなれないかもしれませんが、自転車乗りなら誰しも経験のある脚が疲労で燃えるような感覚。まさしくあれです。

 

「マッチを燃やす」とは、自分の限界を超えた追い込みのことを指します。

 

では、なぜこのマッチを知ることにメリットがあるのでしょう。

実際に何かしら指標があるわけでもなく、多くの人にとってマッチは懐疑的なものです。

 

もし仮にあなたがこれから高強度な練習やレースをするために出かけるとします。

その際箱にマッチを詰めて持っていくのです。そして、アタックやスプリント、ブリッジの度に所持しているマッチを一本ずつ燃やしていきます。

 

するとどうでしょう。

当然ですがいつかは底をつきますよね。

 

そう、これが「力尽きた」「垂れた」状態です。

 

そうなってしまわないように計画的にマッチを燃やすタイミングを見極めるのことが大切です。

ではここで一つ、私がJBCF宇都宮清原クリテリウムの際にどうマッチを燃やしたかをデータを通してみていきましょう。

 

 

JBCF宇都宮清原クリテリウム

 

こちらは、以前参加したクリテリウムのパワーデータですが結論から申し上げますとマッチを燃やしすぎて最終周回で4番手でコーナーに入るも踏めずに垂れて11位に終わりました。

 

一般的にマッチを燃やす状態になるには「FTPの20%超」or 「1分間以上の運動(120%)」がトリガーとなります。

 

ではこのことを踏まえた上でデータを見返してみます。

 

図の紫色のギザギザがパワー値ですがクリテリウムというレースの特性上終始、上下を繰り返しています。

この多くはコーナー立ち上がりにかかるインターバルによるものです。

 

実に最大強度のZ7(198%)で踏んでいます。

しかも、なんと38回。 38回の無酸素ダッシュです。

 

1周1.8㎞×15Laps=27㎞ というレースでしたので単純計算でコーナーを30回ダッシュすることになります。

 

両端180°ターンを38回

では、余分の8回もの無酸素強度の正体は一体何かということです。

 

正体は序盤の逃げ集団へのブリッジ、スプリント周回の無理なペースアップ、最終周回の無理なブリッジです。

要するに「無駄脚」です。

 

これがラストに絡めなかった大きな要因となったと考えています。

 

この様にパワーデータを見返すことで自分が予期せぬタイミングでマッチを消費してしまったことやあえて消費したことなど把握することができます。自分は別にトレーニングピークスを契約していますが、マッチを燃やすタイミングを簡単に視覚化できる無料アプリで下記のinterval icuというものがあります。

 

今回の宇都宮清原クリテリウムもそれを基に分析していますのでおすすめです。

 

 

最後となりますが、自分のマッチの本数を知るためには

 

①「自分の過去のレース」から″疲れ切って垂れた瞬間″を見つけましょう。

② 自分のFTPの120%を超えている部分を見つけましょう。

 

レースで良い成績、自己ベストを出すにはマッチの本数(箱のキャパシティ)を知ること、マッチを燃やすべきタイミングでマッチを燃やすことが大切です。

 

L6のトレーニングを積むことでマッチの本数を増やすことが可能ですので是非、みなさんもパワーメーターを有効活用してみてください。