えー、ちょこっと(←)間が開いてしまいましたが、再開です。
まああれですよ
人生いろいろ大変なんや。(←うしろめたいと関西弁)
ではれっつらご!
第7話「翔べ! ガンダム」
ネットショップを立ち上げるにあたって、まず清水かつえがしたのはオフィスの確保だった。
といっても、住居とは別に所有しているマンションにパソコンを持ち込んだだけだったのだが。
「よそに家賃払うんだったら、あたしに払ってもらったほうがいいわ」(←かつえっち)
ひっじょーに合理的な判断ができるという点において、かつえはテンチョーズ内でも最右翼である。
矢野京子がしみじみ言う。
「無駄遣いは敵よね~。保証金やら何やらバカらしいわ~」
というわけで、「くじら屋」で買った中古のデスクトップパソコン2台(モニタはでかいやつ)で準備はOK。
他の備品は・・・
テンチョーズからのお祝いで揃ってしまった。
湯沸かしポット、電子レンジ、コーヒーメーカー、ミニコンポ、デスク2台、ちょっといい椅子2脚、ハンモック。
それぞれが別の発送先から一方的に送りつけられてきた。
あいつら裏でこそこそやりとりしてやがったな、と思ったが、黙ってありがたく受け取った。
まああれだ、儲かったら盛大にお返ししようぜ、とふたりは頷き合う。
Bekoハンバーグ(これも届いた)を挟んだサンドイッチを食べながら、考える。
・・・さて、どんなショップにしようかしらね?
ということで、フェイスブックの店長グループに投稿した。
【募集!新ショップのアイディア】
新しくショップをつくるにあたり、どんなお店にしようかと考えています。
買ったお客さんが幸せになり、わたしたちも儲かり、楽天にもちょっとお金が落ちる。
何を売るか、どんなコンセプトにするか、まだ白紙です。
ちゃんと時間をかけて考えて、いいお店を作りたいので、お知恵を貸してください!
売れなければならない。
売れるだけでなく、きちんと利益が出なければならない。
たくさん売れて受賞してすごいねえ、と言われていたのに薄利がたたって潰れたメガショップもある。
忙しいばっかりで、時間と神経をすり減らされてしまうのは幸福とは真逆だ。
コストを掛けずに集客して、安く販売してもちゃんと儲けが出るシステムをつくる!
できるはずだった。このふたりなら。
うしろでニヤニヤ眺めながら協力しようと手ぐすね引いてる連中がついていたら。
手元には何もなく、ビジョン以外に具体的なアイディアもなく、でも希望で胸がいっぱいのふたりだった。
「とりあえず、バカ上司がいないだけでこの幸福感たらないわ~」(←やのちん)
「そのくらいでホクホクできるあたしらって可愛そうだったと思うわよ(笑)」(←かつえっち)
いいな、と思うショップを見て回っていたが、すぐにやめた。
すでに誰かがやっているショップの真似では・・・
面白くない!
様々なコメントが届いたが、それを目にしているうちに浮かんだのは、意外にも当たり前のことだった。
『本当にいいものしかないお店』
いいもの「も」ある、ではダメなのだった。
何を買ってもハズレがない。うれしい驚きに満ちた店。
それは、店の都合で売りたくないものも売らなければならないことの多かった彼女たちの、願いでもあった。
販促ショップの石崎ぷらさんが賢者らしく冷静な意見。
「まずは安定的に売上を確保するための、ロングテールな定番商品は絶対必要ですね」
自社製靴下を販売する小俣おまたんが補足する。
「そのためには、自分が惚れ込んだ商材じゃないとね。愛情を注いで育てていくつもりで」
たしかに、それならページ作りにも熱がこもるだろう。
ジュエリーショップの藤本みっこが言う。
「ないものだったら作っちゃえばいいよ~。うちでも受けられるし、作れる人いっぱいいるもんね」
たしかに、自社で製造を行っているショップもたくさんあるのだった。心強い。
肉屋種田姐がまとめる。
「定期的に見に来たくなるようなお店がほしいな、って常々思ってたのよね。大人がさ」
「それ思った~」(←多数)
簡単に言うけどさ~、とふたりは思う。
それは、定期的に新しいアイテムが追加されなければならないということだ。
これは、と思える厳選した商品を、定期的に、コンスタントにアップしていく。
簡単ではない。
簡単ではないのだけれど・・・
楽しそうすぎる!
バイヤーとして、全国を、あるいは海外をまわることもあるだろう。
出会いもあるだろう。
もちろんリスクはある。山盛りである。
返さなければならないお金も抱えた。
だから何?
いま、わたしたちに制限はない。馬鹿な上司の足枷はない。縛るものはない。
思い切り能力を発揮してやるんだ、そう・・・
自由に!
FBにコメントを返す。
「いいもの探したり作ったりしてくるから、それを提供するから、だれかブログ書いてよ」
「はいっ!」
「はいっ!」
「はいっ!」
「はいっ!」
「はいっ!持ち回りにしたらいいじゃん、得意分野違うしみんな」(←リヤカー屋)
「採用!」
「書くぜえ愛情込めたブログ~」
思わず見に来たくなっちゃう、いいものが寄せ集められた、大人のデパート。
商品への愛情がほとばしった、ブログやらなにやらコンテンツも満載のショップ。
結局は、ありきたりなコンセプトなのかもしれなかった。
しかし、いいお店ってのはとどのつまりこういうお店よね、と思う。
いいものを集めてきて世に問う。
腕の見せどころじゃない、と武者震いした。
「リヤカー屋が送ってきた酒でも開けるか~」
「そうしようそうしよう~」
開けた発泡にごり酒は驚くほど吹いた。
まあシャンパン代わりだ。
つづく
