オーストラリアを自転車で旅してから、もうすぐ1年になります。
今になって、ようやくゆっくり振り返る気持ちになってきました。
20代の頃にオーストラリアをバイクで旅した思い出が強く残っていて、
「50歳になったら、もう一度オーストラリアに行こう」と決めていました。
次は自分の体力を試してみたくなったんです。だから、今度は自転車で。
最初は「少しは余裕のある大人の旅にしようかな」なんて考えてました。
いいホテルに泊まって、食事もちゃんとして…そんなふうに。
でも、時代は変わってました。
日本はいつのまにか物価の安い国になって、オーストラリアの物価は爆上がり。
行く前から「これは無理だな」と思って、結局、節約旅に路線変更。
テントや調理道具一式を持って、キャンプしながら走ることにしました。
ところが、これが本当に良かったんです。
広い荒野の中で、誰もいない場所にひとりテントを張る。
夕焼けの空、静かな風、温かい食事。
そして何よりも、夜の星が――もう、びっくりするほど綺麗でした。
360度ぜんぶ星。手を伸ばせば届きそうなくらいで。
あの瞬間、
「ああ、たしかに今の日本は貧乏になったかもしれないけど、
俺は今、世界でいちばん贅沢な夜を過ごしてるかもしれない」
そう思いました。
旅の途中、とあるオーストラリア人に、
「若い頃はバイクで旅して、今回は自転車で来た」と話したら、
「じゃあ70歳になったら、今度は歩いて旅するんだな」って笑われました。
それもアリかもしれません。
ちなみに、キャンプ中心の旅とはいえ、
一食50ドル(当時のレートで5,000円以上)の外食もちょこちょこしてましたし、
ビールは一杯10ドル以上のをよく飲んでました。
そして最後の方は、テント張るのがめんどくさくなって、
一泊100ドル以上の宿に3連泊とかしてました。
思い返せば、節約旅というより“無理しない旅”だったかもしれませんね。
いや、正直いうと…あのときのクレジットカード、
完全にドラえもんに出てくる「デビルカード」状態でした。
ちなみに帰国したばかりの頃は、日本のコンビニに入るたびに感動してました。
「なにこれ、全部安っ!」「天国かよ!」って。
でもあれから1年。すっかり金銭感覚は戻りまして、
今では「コンビニ高いな、スーパー行こ」ってつぶやいてます。