伊藤和也さん誰か覚えています? | 坂道のブログ

伊藤和也さん誰か覚えています?

 アフガニスタンで伊藤和也さんが殺害されてから、14年が経ちます。
 
 「伊藤和也さん」なんて書くと、まるで知り合いかのようですが、
 当然、んなこたぁ無いです。
 
 皆さんと同じく、ニュースで知っているだけのことです。
 
 
 一応14年もの前の事件なんで知らない方のために、説明しておきますと。
  
  
  2008年8月26日午前6時30分(現地時間)頃、
  アフガニスタン東部に位置するナンガルハール州で、
  人道支援活動を行っていた「ペシャワール会」メンバーの
  日本人1名がタリバンに拉致される事案が起こった。
 
 
 
 拉致されたペシャワール会の伊藤和也さんは、
 その翌日に、遺体となって発見されました。享年31歳でした。
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 伊藤さんはアフガニスタンで何をしていたかというと、農業支援のため。
 
 アフガニスタンの人口は2500万人ですが、
 そのうち500万人が飢餓状態にあるという状況にあります。

 
 
 その一番の原因は、水が無いこと。
 水が無いから、農業が出来ないんです。
 


 水さえあれば、荒地を農地にすることが出来、
 多くの人々の生活を豊かにすることが出来る。
 
 だから、まずは用水路などの灌漑設備をつくり、
 田畑をつくり、サツマイモだとか麦だとかの栽培法を教える。
 
 伊藤和也さんが所属していたペシャワール会は、
 そのような活動をしている団体です。


 仲間の日本人たち。伊藤さんは左から2番目。中央がリーダーの中村医師!
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 当然、そんな活動が現地の人に受け入れられないはずは無く。
 
 伊藤さんが拉致されたときにも
 (この拉致は地元の人の反感をかったのではなく、強盗に遭ったようなもの)
 地元の住民が1000人も、犯人捜索に協力したそうです。
 
 いかに、ペシャワール会の活動が現地で受け入れられていたか、分かります。
 
 
 さて。
 
 
 伊藤さんたち、ペシャワール会がつくった水路によって、
 多くの荒地が、豊かな農地へと生まれ変わったわけですが。
 
 その写真を見て、
 
 
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 たった4年で、ここまで変わるものかと、びっくりしました。
 (背景の山を見てください。同じ場所でしょう)
 
 
 なんというか、こんなことをわざわざ書くのもおこがましいけれども、
 本当に素晴らしい仕事だなと感じます。
 
 これこそ、人間のすべき仕事だろう、と。
 
 金は当然溜まらないでしょうけれども、
 人間としての「善ポイント」が、50000善くらい溜まりますよ。
 (10000善で天国に行ける)
 
 
 
 現代の仕事の多くは、社会を豊かにするというよりも、
 自分(もしくは自社)を豊かにするためだけの競争です。
 
 ぶっちゃけ、ほとんどの仕事は、無くたっていいんです。
 
 「ライバル社」というものが存在する時点で、
 その仕事は無くたって、社会に支障は無い仕事なんですよ

 自分のやっている仕事もそのものです。
 
 ソニーが無くたって、パナソニックがあるんですから。
 
 そして、逆もまた然りです。
 
 そのような競争の中では、自分が豊かになるということは、
 誰かが負けるということです。
 
 
 でも、アフガニスタンの灌漑という仕事は、他に誰もやる人がいない。
 
 この人たちがやらなかったら、荒地は荒地のまま、
 人々が飢えて死んでいくだけなんです。

 純粋に世界を豊かにしているんですよね。
 そこには敗者がいない、ただ、まっすぐに世界を豊かにする仕事です。
 
 
 こういう仕事をする人を、僕は本当に尊敬します。