この歳になって | 坂道のブログ

この歳になって

50歳を過ぎて少し感じるのは

自分で育児をしてみて、
あれですね。核家族ってのは不便ですね

その不便さは、若いときだけでなく

年寄りなっても悪い影響ですね。
 

「核家族」ってのが当たり前になったのは、戦後からでしょうか。
僕らの子供達、クレヨンしんちゃんの世代からのことだと思います。
 
 
  22歳(もしくは19歳)で親元を離れる
    ↓
  一人暮らし(もしくは寮暮らし)
    ↓
  結婚したら2人でアパート
    ↓
  子供が生まれたら住宅ローンでマイホーム
 
 
 という王道ルートが出来上がりました。
 
 これは良く言えば「自由」だの「自立」だの「一国一城の主」だの、
 ポジティブなキャッチコピーがつくでしょうけれども。
 
 一方で、大家族じゃなくなることによる弊害というのも、
 かなり大きかったのだろうな、と思います。
 
 
 3~4世代が同居していれば、それなりの息苦しさはあれど、
 やっぱりメリットというものも大きいと思うんです。
 
 子育てをしていれば、経験者(祖父母)の知恵はあるわけだし、
 世話をする祖父母世代は仕事がある分、現役でいられるし。(ボケない)
 
 仕事の適度な分担というのが、家庭内でも出来る。
 
 それが無くなると、60歳の定年まではメチャ忙しいけれど、
 定年後は仕事がなく趣味くらいしかやることが無い、
 という両極端になってしまう。
 
 「定年を迎えたとたんに、図書館通い以外やることが無い」
 
 なんていうのも、核家族化の問題のひとつなわけですし。
 
 
 ついでに言えば、自分がこれから歩みゆく人生を、
 すぐそばで見れるというのも大きいと思います。
 
 ああ、人間はこういうふうに老いて、死んでゆくんだなというのが、
 親や祖父母を間近で見ていて体験することができる。
 
 そういう、人間的な必要性というのもあると思います。
 
 
 ただ、毎度のことながら「経済」の観点からいえば、
 大家族よりも核家族のほうが都合がいいわけです。
 
 経済ってのは、どれだけ消費したか、買い物をしたか、
 その総量が多けりゃ多いほどいいんですから。
 
 大家族が、一つの大きな家に100年も200年も住まれては、かなわない。
 それよりも1世代で1つの家を建ててくれたほうが、都合がいい。
 
 一人暮らしをするときに家具をそろえ、
 結婚してアパート住まいをするときに家具を買い替え、
 子供が生まれてマイホームを新築するときに家具を買い替え、
 というほうが、消費の総量はグンと増えるから、経済も活性化する。

 電気も消費が増え原発が増やせます。


 
 戦後の日本経済が、あれほどの生産と消費を成し遂げた根幹には、
 大家族から核家族への移行があったのだな、と思うのです(個人的な主観です) 
 もし大家族が維持されたままだったら、
 もっと緩やかな成長になっていたことでしょう。
 
 
 それは言いかえれば、「家族」で担っていた労働を、
 会社のサービスが担うようになったということでもあります。
 
 おばあちゃんが家で掃除をしても経済は活性化しないけれども、
 核家族がダスキンのサービスに頼めば経済は活性化する。
 
 家族の労働が会社の労働になり、その分の「経済成長」が行われ、
 個人でいえば「会社では忙しいが、家(定年後)では暇」となった。
 
 ま、おおまかに言えば、そんな流れがあったのだろうなと感じたのです。
 
 
 それを後押しする風潮は、
 
 「一人暮らしをして一人前」だとか、
 「ずっと実家住まいの男はマザコン」だとか、
 「家を新築するのが男の夢」だとか、まぁいろいろありますが、
 どれも目指す方向は一緒ですね。
 
 核家族化による、経済発展。
 
 で、日本はこのプロセスを経て経済発展したから、
 今度は中国で似たようなプロセスが、より巨大に行われるんですね。
 (さかのぼれば、日本の前に、アメリカで成されたことだけれども)
 
 
 先週の日曜は富山に住む長男の車のタイヤ交換を、

 雨の中でする羽目に 同じ家に住んでいれば、

 こんな雨の中で、と思いながら。

 
 そんな悩みを、大きく膨らませてみました。