フェスティバルホール

山田和樹 指揮読売日本交響楽団


R・シュトラウス

「ドン・ファン」

ブルッフ

「ヴァイオリン協奏曲第1番」

シモーネ・ラムスマ(ヴァイオリン)


フランク

「交響曲」



リヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」は威勢よくこの楽団のカラーどおり(笑)に豪快に始まりましたが中間部のオーボエが登場する辺りから音楽が落ち着いてきて良くなりました。この場面の弦楽の素晴らしさ。
ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」を弾いたラムスマは一音一音正確に発音していくような演奏で節回しもユニークに感じました。なんとなく流れていくような場面は無く繊細な演奏でした。そこにつける伴奏のオーケストラも見事でビックリしました。特に第2楽章始まりの場面での独奏ヴァイオリンとの親密な雰囲気を感じる弦楽の集中力が素晴らしかったです。ラムスマが弾いたアンコールのイザイの無伴奏ヴァイオリン作品も変わった感じの演奏で面白かったです。
フランク「交響曲」は気持ち遅らす雰囲気で(遅れているわけではないと思う)吹かせる金管がおおらかな演奏という雰囲気を造りだしていてまさに「オルガンの響き」を感じるような演奏で良かったです。自由自在にテンポも揺らしながら進んでいく演奏ですごくスケールが大きくて感激しました。特に第2楽章の終わり方をゆったり表現していたのと、第3楽章中間部で第2楽章のイングリッシュホルンのメロディーが戻ってくる場面付近の深く深く沈んでいくような暗い表現が印象に残りました。
特筆しておきたい昨日の弦楽の音色はまさに「世界クラス」を名乗っても良いほどの素晴らしさでした。
山田和樹の首席客演指揮者退任前最後の演奏会ということで花束と楽団員の寄せ書き?贈呈がありました。演奏も凄かったしオーケストラに本当に愛されていた指揮者だったんだなあという演奏会でした。