（もんじゅ君のエネルギーさんぽ）汚染水が不安ですだよ
http://www.asahi.com/culture/update/0905/TKY201309050316.html
■竜巻の被害にあわれた方にお見舞い申し上げます
こんにちは。もんじゅ君です。
ことしの夏は暑い暑いと思っていたのに、この一週間はあちこちで大雨や竜巻が起こり、不安定なお天気でした。竜巻の被害にあわれた方にはつつしんでお見舞い申し上げます。
ところで空模様とは関係なく、漏れつづけているのがふくいち君からの汚染水。ついほかの話題にまぎれてしまいがちだけど、日々すこしずつニュースは更新されているみたい。
今週は汚染水の問題について、いまの時点でのおさらいをしてみよう。
■オリンピック選考でも質問あいつぐ
９月４日、オリンピック招致の最終選考をまえにして、日本は記者会見をひらいたの。海外のメディアからはふくいち君の汚染水について、どうなっているのか、と質問がたくさん出たみたい。
日本の招致委員会理事長さんは、「東京の放射線レベルは世界のほかの都市とおなじでまったく問題ない」とお返事したけれど、これじゃ汚染水についての答えになっていないよね。
イギリスの記者さんも「安全性を強調するばかりで、この問題に正面から答えていない。もっと真剣に考えるべきだ」といっていたよ。
■そもそもいつから漏れていた？
じつは２０１１年春から汚染水の問題は指摘されていたし、東電さんも当時から認識していたようなんだけど、あかるみに出たのは今年になってから。
ふくいち君の海側の井戸から高濃度放射性物質の検出がわかったのが、５月３１日。だけど東電さんはその事実を２週間以上もかくして、６月後半になってから原子力規制委員会に報告したんだよ。
そしてそのあともなかなか事実をみとめず、参院選のおわった翌日の７月２２日にようやく「漏れてました」と発表したんだ。８月には地下水からだけでなく、タンクからも３００トンもの汚染水が漏れていたことを認めたよ。
情報を小出しにすることで印象をうすめているんじゃないか、と疑われてもしかたがない態度なんだね。
■汚染水はどこからやってくるの？
すごく乱暴にご説明すると、ふくいち君の下には山側からどんどん地下水が流入しているの。それが原子炉建屋の地下にたまった汚染水とまざってしまって、汚染水がどんどん増えちゃっているんだ。
あとからあとからあらたな地下水がやってくるから、行き場をうしなった汚染水で原子炉の地下がじゃぶじゃぶになってしまっていて、それが海へ流れ込んでいるようなんだよ。
■これからの対策はどうなる？
この汚染水の問題、「東電さん一社では対応ができない」ということで国が直接対応にのりだすことになったんだ。国費として４７０億円を追加で使うんだよ。そこで、
（１）井戸で地下水をくみあげる
（２）海側に壁をつくる
（３）原子炉建屋をぐるっとかこむように地中に壁をつくる
（４）汚染水をきれいにする装置をもっとよいものにする
という方針が経産省さんから発表されたの。
スケジュールとしては、壁の完成は１年後の来年９月をめやすにしているよ。
■最重要の問題としてとりくんで
ひとまず対策が表に出たことはよいけれど、どれもうまくいくのかどうか未知数なんだ。たとえば、これまで使ってきた「アルプス」と呼ばれる汚染水をきれいにする装置だって、トラブルがあっていま全部止まっている状況だしね。
もし周囲に壁がうまくつくれたとしても、原子炉の底の部分から入り込む地下水をどうするのかや、地下水の浮力で建屋がどんどん浮き上がってしまうことはないのかなど、心配はつきないの。
こういうだいじな問題に真正面から答えずに、オリンピック招致の場でもごまかしたお返事ばっかりで、なんだか不安がつのってしまいましただよ。