「ル=ガルー 忌避すべき狼」 京極夏彦 (徳間書店・2001年)

京極作品を初めて読みました。読み応え十分です。
一般の読者から近未来社会(2030~2053)の設定アイデアを幅広く公募し、それらを盛り込んで出来あがった小説なのだそうです。
公募自体は1998のこと。出版までのわずか数年の間に、そのアイデアの中には商品として実現したものもあるんだとか。

2030年まであと22年。今の日本の平均寿命から考えると私もまだこの世にいそうですが、もしもこの小説の中のような世界になっていたら、私はそこにいられるんだろうかと考えてしまいました。
機械的で、人と触れ合わない世界。モニタの中に全てがあって、現実のほうがリアリティのない世界。
あと20年や30年でそんな日が来るとは、私には思えないし、思いたくない。