村上春樹をよみまくっている。
おそらく20年ぶりになるのだろう。
ノルウェイの森。
最近発売された一人称単数を、半年近くかけてようやく読み終えて、読書も体力いるんだな、年とったな、なんて思いながらなんとか最後まではいったものの、
短編小説だと、トリップ感がちょっと足りないなー
やっぱり長編読みたいなーと思って久しぶりに読んだのがノルウェイの森。
なんていうか、時を経て、あの小説が純愛小説だと、
どこまでも愛おしい恋の物語なんだと、
その素晴らしい時期は私には過ぎ去ってしまった過去なんだと、
ようやく理解したのでした。
初めてノルウェイの森を読んだのは19歳。
主人公のワタナベくんと同い年で。大学の講義の合間のランチとか、背伸びしてバーでお酒飲むとか、
くだらない講義をききながら、頭は違う事考えたりとか、
まさに混沌とした学生時代だった。
そして、笑うとシワがチャーミングなレイコさんは、ずいぶん年上のオバさん、という位置付けだった。
それが今、私はシワがチャーミングなレイコさんよりもオバさんなんだ。
だけどレイコさんみたいな素敵なオバさんにはなっていない。
そしてワタナベや緑や直子のいる青春時代はとっくに終わってしまった。
もうやってこない、二度と。
初めてこの本を読んだ時はやたらとすぐ寝てしまうワタナベくんと、なかなかリアルな描写に、なんだかソワソワしたものだけど、
今はそんな事は気にもならず、行為そのものの意味が、
心の描写になっているんだとわかる。
やっと色々わかる年になってきたんだなと思うけど、
19歳の時に思い描いていた、
笑いジワが素敵なカッコいいオバさんとは程遠い39歳の私がいる。
最後、緑と抱き合うところやレイコさんとのシーンは涙がポロポロでてしまった。
心はちゃんと動いているんだ。
すっかり沼の底まで落ちてしまって、
現実との調整が上手くいかない数日を過ごしています。
でもそうなんだ。
私はこの、違う世界に連れていってくれる感覚。
芝居でも、本でも。
この感覚が大好きで、大好きで仕方がなかったんだ。
忘れていた、
いや
しまいこんでいた。
感情の記憶。
