チャッピーとみち子、クマトラーは、養護施設、栗の木園の子供のために街頭募金をしている。男性が通りかかって、一万円を入れてくれた。驚くチャッピー。男性は「僕も実は、この栗の木園で育ったんだよ」という。難いが大きく恐持てだが、その風貌から想像もつかないほど、優しく微笑む。「辛いときはいつも、山のおじさんという人物から手紙やプレゼントを頂き、励まされたんだ。」今、男性は刑事なのだそうだ。チャッピーたちは一同、お礼をいう。

夜、チャッピーはみち子、クマトラー、ジュン、養護施設に寄付している田中さんの孫のルミと一緒に子供たちにクリスマスプレゼントを配る。田中さんは、チャッピーたちを家に呼んでクリスマスパーティーを開いてくれることになった。次の日、招待されたチャッピーたち。だが、なぜか落ちつかない田中さん。外に男の影がうごめいた。悪人と思ったチャッピーが、魔法で男を叩き出す。田中さんはルミに「もうここにはいられない。ルミ、早く準備をするんだ」という。何者かに追われている雰囲気の田中さん。ルミは嫌がったが、田中さんはどうも、それから逃れるため居場所を転々としているらしい。

田中を追っていたのは、あの募金箱に一万円を入れてくれた男性。成田刑事だった。成田は少年の頃、赤ん坊を抱いた男性がミルクを盗んだ現場を目撃。自分がミルクを盗んだと疑いを掛けられ留置された過去があった。その後、栗の木園で育った彼は施設を出て、刑事になった。自分に罪を着せたあの男、田中を追うため、そして、自分を励ましてくれた山のおじさんにいつか会うために。

栗の木園に、ギャングが立て籠ったニュースが入る。成田は現場に急行するが、ギャングに阻まれ撃たれそうになってしまう。そこに、田中さんがやってきた。田中さんは成田をなぜか庇って、自身が銃弾に倒れる。チャッピーは、魔法で突風を起こしてギャングらを吹き飛ばした。

田中さんは、成田刑事を知っていた。自分が「山のおじさん」であることを明かす。数十年前、身寄りのない赤ん坊だったルミを育てるためミルクを盗んだこと、成田に罪を着せてしまったのを後悔していた。

その後、成田が栗の木園にいるのを知り、「山のおじさん」の名前で成田に毎年プレゼントを送っていた。それが責めてもの償いとしていた事実を。成田は田中さんの真心に触れ、逮捕せずに留める。チャッピーが、救急車を読んだ。田中さんは運ばれていくが、救急車の運転手はパパだった。チャッピーはパパの心遣いに感謝する。


みなしごのバラード

今回はちょい、タイガーマスクのようなお話し。施設で育ったとある少年成田。山のおじさんが毎年プレゼントを送ってくれた。それが過去に因縁を造った人物というのは、皮肉な話しである。最後は二人が和解を保ったのでよかったが。

この回で、1クール延長分(27話~38話)のお話しは終了。事実上でこれが、ラストに製作された魔法使いチャッピーのエピソードとなる。また、チャッピーの服装がこれまでと唯一違っている。


1972年12月18日放送

脚本 夏目幸治
作画監督 江藤文男
演出 明比正行