朝の登校中、クラスメイトの近藤秋子と会うチャッピー。そこに車が猛スピードで突っ込んできた。秋子の飼い犬チビが血を流している。車に当てられたのだ。チャッピーと秋子は、町の薬屋さんに駆け込むが、なぜか、薬屋は「近藤さんには、薬は売れない」という。チャッピーが怒り「売れなきゃいいのね?だったら買うわよ」と、薬屋の付ける値段、百万円を魔法で出した。震える薬屋夫妻。

秋子はチャッピーに感謝する。秋子の家はボーリング場建設の立ち退きに反発しているため、金富グループから嫌がらせを受けていたのだ。3年5組では委員会の選挙が行われた。秋子と金富銀子が候補者に上げられる。チャッピーは秋子を推薦する。銀子の父親は、あの金富グループの社長だった。うちの娘を支援するようにと、教頭を通じて差し金を向ける金富。

すみれ学園の校庭には、立派な金富の銅像が立てられていた。それを見上げるチャッピーたち。教頭はやって来た金富にペコペコするばかり。呆れるチャッピーたち。寄付金繋がりで金富とすみれ学園にもつるみがあるのだ。秋子は銀子にクラス委員を譲った。二人の間にはいつしか、友情が芽生えていた。

だが、秋子の宅では池の鯉が毒を投げ込まれて全滅。金富社長の嫌がらせは増すばかりである。

ある日、秋子の祖父が事故にあったと知らせが入る。同行するチャッピーと銀子。それは金富の罠だった。が、金富の部下は銀子が社長の娘と知りつつ、作戦を誘拐目的へ変更。病院ではなく、山小屋に連れて行かれる。山小屋で拘束される、チャッピーと銀子、秋子。娘を人質にした手紙を届けるため、間抜けな部下はチャッピーを届け役に、使う。山中、魔法でコテンパンにされる部下。チャッピーが山小屋に戻ると、銀子と秋子は脱出していた。

追っ手が迫る中、銀子を先に乗せる秋子。ゴンドラを操作され落下しそうになる銀子。そこにチャッピーがやってきてみんなを助ける。

近藤家の前に、重機が迫っていた。今日が執行の日なのだ。金富社長が命令を下す寸前、戻ってきたチャッピーたち。銀子は父に、秋子は大切な友達。だから秋子さんをこれ以上困らせないでと懇願。娘の願いとあっては、社長も聞かざるを得なかった。作業員は、尚も秋子宅を潰そうとするが、チャッピーの魔法でこれも止められたのだった。

秋子と銀子の友情が、周りの大人たちを変えたのだ。


またしても黒いストーリー

金や選挙が絡むと黒くなるのが、チャッピー後半展開の特徴。今回は、すみれ学園と裏金でつるみ、企業グループを牛耳る金富社長が悪役。だが、その娘の銀子は曲がったことが嫌いなため、秋子側に付く。大人は汚い、子供は綺麗というテーマが強く描かれた。外注班なのか、作画崩壊の激しいひとつ。銀子が美人だから許そう(笑)


1972年11月27日

脚本 夏目幸治
作画監督 白川忠志
演出 宮崎一哉