チャッピーとジュンは町内選挙の宣伝カーを見かける。如何にも胡散臭そうな男が立候補者だった。人野いい造である。もうひとりの立候補者は気の弱そうな老人。老人は「その男に騙されてはいけない」と、呼び掛ける。人野は圧倒的に優勢だった。

パパは選挙には行かない。誰が選ばれても同じだという。チャッピーが「無責任だ」と憤慨。人野は「民主主義」を確約に掲げ、ついに町内会長に当選する。

老人の経営する、町のペット屋が嫌がらせを受けていた。もうひとりの立候補者、あの老人だ。人野に以前から反発していた故に、立ち退きを強制させられるなど、数々の嫌がらせを受けていたのだ。チャッピーは老人を助ける。老人は、人野は元はヤクザの出身だと知っていた。このままでは、町内会はみんな人野の思い通りにされてしまう。

町内会費が異常な値上がりを見せた。パパたち町民が抗議するが、人野は「私は町の民主主義で公平に選ばれた」を、理由に高笑い。チャッピーの家に荒井さんやみんながあつまり困り果てていた。チャッピーは「大人が無責任だからとこうなった」と怒る。

ペットショップに、人野がやって来た。今すぐ立ち退くように脅される老人。ペットショップの犬が、人野のオウムに噛みつく。鬼の形相に変わる人野。「殺せっその犬や猫を殺せっみんな焼き殺してしまえ」と、命令。たちまちペットショップの動物はトラックに乗せられ連れて行かれる。チャッピーたちが来ると、ドンちゃんを目につけた部下たち。「あいつも連れていってしまえ」とトラックに投げ込まれるドンちゃん。怒ったチャッピーが魔法のバトンを振るうと、そこは江戸時代になった。

ジュンの、屋根の上捕物帖が始まる。人野の手下と人野は奉行所に連行された。そこには「遠山のチャッピーの上」が待っていた。人野の罪を尋問するチャッピー。人野は「私は民主主義で選ばれました故に」と反発。「確かに選挙に行かなかった大人たちも悪い、しかし、不正な選挙無かれど、罪のない犬や猫を焼き殺そうとするこれにて相違ないか」と、遠山のチャッピー。遠山のチャッピー、桜吹雪の肩が怒った。下した判決。人野をハリツケ獄門の刑に処す。

助けてくれと喚く人野。ドンちゃんとペットショップの動物が刑を執行しようと槍を構えた。魔法が解けて、人野は夢の中で喚いていた。部下たちは人野がくるくるパーになったと思い込む。人野は、もうやーめたと会長職を投げ出し逃げていった。

町内会長が誰もいなくなったので、ペットショップの老人がそのあとを引き継ぐことになった。人野の部下も心を改め、町に花の種を撒く。

チャッピーたちは、大人になったらもっといい町になればいいなと願うのだった。


遠山のチャッピーあらわれる


今回はまたしても、元ヤクザの立候補者、人野いい造とそれを巡るトラブル。ペットショップの動物に矛先を向ける人野の悪業と、大人たちの身勝手さなど描かれる。もはや子供向けアニメではなくなってる印象。極めつけは遠山のチャッピーの上。確かに桜吹雪のあの方なら、悪代官人野に適正な判決を下してくれそうだ(笑)

1972年11月20日放送

脚本 長坂秀佳
作画監督 石黒育
演出 古沢日出夫