チャッピーたちはハイキングでリンゴ村に来た。リンゴ村にはリンゴ農園があるのだ。露店で子供たちがリンゴを売っていた。ひとつ300円に驚くチャッピー。お金を取るなんて…と文句をいうと、リンゴ農園のゲジゲジ社長があらわれた。遠いところから来なすったと、社長はチャッピーたちにリンゴをご馳走してくれた。言葉に甘えてお腹一杯食べるチャッピーとジュン、ドンちゃん。ところが、食べたぶんの代金を請求する社長。抗議するチャッピーたちに、「ただとはいっていない」という。チャッピーたちは騙されていたのだ。「払えないなら東京からお父さんやお母さんを呼ぶぞ」と、脅されチャッピーたちは倉庫に連れて行かされる。ここで食べた分まで働けというのだ。

夜になって、一人の少年がリンゴを持って走り去った。彼は、昭一という村の子供だ。チャッピーたちが理由を聞くと、昭一の父は病床。父にリンゴを食べさせたい昭一は、ヤクザの目を盗んでコッソリと、毎晩リンゴを運んでいたのだった。村はかつて、自然と水源豊かな土地だったが、ゲジゲジ社長がやって来てからおかしくなったのだ。

ヤクザに捕まり痛めつけられ、木に縛り付けられる昭一。チャッピーは「大人が子供に乱暴するなんて卑怯だわ」と、止める。ヤクザは嫌がらせにチャッピーたちの前で美味しそうにリンゴを頬張る。もうやめろ!と激怒する昭一。だが、子供の力では大人に太刀打ちできない。

チャッピーとジュンは山の頂上にある施設を怪しいと睨む。そこではヤクザが廃液を垂れ流している。ゲジゲジ社長が、リンゴ農園を意のままに独占していた事実を知るチャッピーたち。チャッピーは魔法で社長を懲らしめる。リンゴリンゴ、リンゴだらけの雪崩。埋もれてしまうゲジゲジとその部下たち。

リンゴ村に平和が戻った。子供たちも昭一も、みんなが分け隔てなくリンゴを自由に食べられる素晴らしい土地である。


水質汚染と工場廃液

今回も、テーマ的には30話と少し似ている。自然豊かな山村に、外部からの侵入者。環境破壊、水質汚染により、乗っ取られるリンゴ農園。と、思ったらまたまた、長坂先生のシナリオでした。ちなみに、予告では「リンゴリンゴりんご大作戦」というタイトルでなぜか呼ばれていた。


1972年11月13日放送

脚本 長坂秀佳
作画監督 木暮輝夫
演出 勝田稔・寒竹清隆