空き地で新聞を読んでいるチャッピーたち。気になったおじいちゃん。そのままでは恥ずかしい。子供に変身して、覗きにいこうとする。それは、山奥にある玉下駄村に、怪獣があらわれたというニュースだ。玉下駄村にはクマトラーのいとこがいるらしい。チャッピーとジュンとクマトラーは、玉下駄村へ出かける。心配なおじいちゃんも同行することになった。

クマトラーは探検隊コスチューム、やる気満々だ。露店には銃が売られていた。見物客は、銃を買わないと山に入ることができないのだ。おじいちゃんは銃を買おうとして、チャッピーに止められる。怪獣を見物するために銃を買うなんてとんでもないわと。露店主とチャッピーが喧嘩になりそうなところ、チャッピーの言葉に拍手する女の子がいた。すみれだ。いとこのすみれにチャッピーを紹介するクマトラー。すみれいわく、怪獣騒ぎで静かだった村が騒々しくなったという。よそから来る見物客が増えたためである。村に工場が建設されてからオッタマゲターが出るようになったらしい。

そのとき、怪獣オッタマゲターがあらわれた。銃を構える人々だが、撃たないでとすみれが庇う。オッタマゲターは何も悪いことはしていない。銃を持った人々は、こんな物騒なものを持つことは戦後なかった。と悩んだ。すみれは人々から銃を回収して燃やす。

ところがそれをよく思わない人間がいた。村の工場建設推進派だ。

チャッピーたちは大吉から、平和の神オッタマゲターの伝説を聞く。遠い昔、村人が山に迷い混んだとき助けてくれたのがオッタマゲターだった。オッタマゲターは山奥に家族と共に暮らしている。心の優しい怪獣であると。


翌朝、オッタマゲターに家を踏み潰されたと村中が騒ぎになる。そこには大きな足跡が。これは間違いない。オッタマゲターの仕業だと大人たち。矛先は、銃を燃やさせたすみれに向けられる。すみれに銃を弁償しろと差し向ける村人たち。オッタマゲターがそんなことをするはずがないと、チャッピーは思った。どうも、犯行は夜中の間らしい。森に入ったおじいちゃんはオッタマゲターとその家族と出会った。オッタマゲター親子と仲良くなるおじいちゃん。

チャッピーが、おじいちゃんからオッタマゲターの言葉を聞く。真夜中に家を壊したのは、ほんとにあなたたちなのかと。オッタマゲターは、「とんでもない。そんなことはしない。それに夜の外は怖いので出歩かない」という。犯人が他にいるようだ。

真夜中、村中が寝静まった頃に、それは起きた。

怪獣だと叫ぶ声に、夫婦が飛び出す。男はハンマーで家を叩き、もうひとりの男はスタンプで大きな足跡をつける。工場の社長が推進派のグループに命令していた。こうして、オッタマゲターを犯人に仕立てあげていたのだ。

始終を見て、怒ったチャッピー。ジュンとの合体魔法でオッタマゲターに変身する。

社長の目の前、怒りのオッタマゲターが。社長は「驚くことはない。こいつは間抜けなでき損ない怪獣だからな」と余裕だ。オッタマゲターが突如、火炎放射を放った。震え上がる社長。オッタマゲターに鷲掴みにされ、もう二度とこんなことはしない。だから、食わないでくれと、社長は謝る。

村に安息が戻った。「もう来るんじゃないぞ」とクマトラー。すみれとチャッピーは、オッタマゲター親子に手を降る。親子は山奥にひっそりと帰っていくのだった。


怪獣ブームの最中

今回は、子供たちに人気の怪獣がゲスト。それも、恐ろしくもなく、平和の神と呼ばれるオッタマゲターである。今なら、トトロか。怪獣というより、もののけに近い存在なのかもしれない。けっきょく悪いのは人間というオチ。今回の騒動発端も工場建設だった。カオスシナリオ長坂先生。

1972年10月23日放送

脚本 長坂秀佳
作画監督 上村栄司
演出 大貫信夫