遊園地の割り引きチケットをもらった一平。みち子はチャッピーたちを誘う。チャッピーとジュンはパパの許しを得ようと家のお手伝い。ようやく許可が下りて、みんなで遊園地へ行けることになった。遊園地のゲートで、チャッピーが突如カメラマンに囲まれた。なんと一千人目の入場者に選ばれたチャッピー。遊園地の乗り物は全てタダ、食べ物もタダ、という一日園長の特典付きだ。

チャッピーたちが遊園地を楽しんでいると、園内に一人ぼっちでいる少年がいた。名前はオサム。彼は遊園地の中で母とはぐれたという。チャッピーとジュン、一平二平がオサムのお母さんを探してあげる。だが一向に見つかる気配がない。オサムは実は、うそをついていた。お母さんとはぐれてなどいなかったのだ。チャッピーはなぜ、うそをついたのかとオサムに聞くが答えない。チャッピーはオサムを叩いてしまった。

遊園地の管理者はオサムを知っていた。他の親子に紛れて、毎日遊園地に来ている男の子。オサムの母は数ヵ月前に他界。母が元気になったら、いっしょに遊園地に来る約束をしていたと。だから、本当のことを話さなかった。チャッピーはオサムを叩いたことを深く悔やむ。オサムは遊園地の倉庫、汽車の中で眠っていた。チャッピーが魔法をかけると、おとぎ汽車は月夜の夜空を飛んでいく。星の川を渡るとオサムの母がいた。母に甘えるオサム。チャッピーはかわいそうなオサムにひとときの夢を見せてあげたのだ。

オサムは泣き虫なんかじゃなく、これからもきっとつよく生きていくだろう。

夢の中の母とオサム

今回も失われた過去の人物との再会。チャッピーがその願いを叶えるというお話し。D51のときもそうだがチャッピーの魔法は、消えて行くもの、過去に失われたものと、それに思い入れを持つ人々の再会が多い。魔法は人間にとれば所詮、夢でしかないのでいつかは終わる。その僅かな時間のなかで、人々は幸せを感じている。チャッピーの魔法は、大いに人々に貢献していると言えるだろう。この回から、昭和の硬派ドラマなどで活躍された押川国秋氏がシナリオに参加している。



1972年7月10日放送

脚本 押川国秋
作画監督 永樹凡人
演出 池田宏