ニコニコ町の片隅にある墓場に、不気味な人魂が降り立った。人魂は豚のような姿をした怪物だ。深夜、怪物は中村しず子の家に侵入。眠っているしず子の口に薬を垂らす。しず子は怪物の言いなりになる。しず子は操られたまま歩き、チャッピーの家へ。チャッピーのバトンを奪おうとするが失敗する。翌朝、チャッピーと学校で会ったしず子は具合が悪い。しず子を送るチャッピー。公園で休憩するチャッピーはしず子の罠に落ち、異世界へ飛ばされる。

ハンスト家では異常事態が起きていた。ウツボカズラの蕾が点滅している。これは不吉な予兆であるというパパ。チャッピーがまだ帰ってこないので心配していると、パパが駆け込んできた。魔法の国から「シビアババアと下男が脱出した」と情報が入ったらしい。シビアは、以前パパに無礼を働いたので牢屋に投獄された悪人であるという。ハンスト家に空中を漂う手紙が飛び込んだ。手紙は脅迫状で、チャッピーはあずかった。返してほしければ指定された場所に時間内に来い。というものである。

その頃、チャッピーを捕らえたシビアは彼女を火にかけバトンを渡すよう脅す。だが頑なに渡さないチャッピー。

深夜、0時をすぎると手紙についていくパパ。異世界ではチャッピーがいた。手紙は下男が変身していた。シビアはパパに過去の出来事から恨みを抱いていた。年老いた自分に力がないが、そのためチャッピーのバトンを要求していたのだ。チャッピーのバトンを奪い、パパと決闘するつもりだ。シビアはまたチャッピーを火にかける。チャッピーは仕方なくバトンを渡した。バトンを手に入れたシビアは下男をドラゴンに変身させると、パパに襲いかかった。電撃でドラゴンの魔法は解ける。シビアが持つ、バトンの魔力とパパの魔力が相殺して、異世界が崩壊しそうになる。パパは間一髪、強力な魔法でチャッピーを花畑に隠す。だが、ふいを突かれパパがバトンの魔法を受ける。石化する瞬間、花畑に魔法をかけた。バトンの力でもそこには入れないのだ。パパの体は完全に石になってしまった。勝ち誇るシビア。シビアは下男に花畑を蹴散らせというが、バカな下男では無理だった。シビアは花畑を焼こうとするも失敗。力づくで花を引き抜こうとする。下男が目を離した瞬間、チャッピーがバトンを操り石化が解けた。チャッピーが魔法をかけると、下男の実体はただの豚だ。悔し紛れ、シビアが逃亡を図ろうと鳥に変身。シビアの実体は鳥である。変な鳥にチャッピーも驚く。チャッピーは鳥を捕獲。シビア鳥は籠に入れられ、魔法警察が迎えに来るまでハンスト家の晒し者になる。

翌日、具合が戻ったしず子と元気に登校するチャッピーだった。

初の平穏を脅かす存在

今回、初めてハンスト家が危機に陥る場面。チャッピーパパに因縁を持つ相手が現れるなど今まで語られなかった過去が興味深い。もっとも、そのシビアと下男は間抜けでチャッピーを火あぶりにしようとするシーン以外、怖さは見られなかった。
ちなみに、今回のチャッピーは野村道子氏が担当。増山江威子さんがご病気のため一時的に代役をされた。


1972年5月29日放送

脚本 吉野次郎
作画監督 端名貴勇
演出 久岡敬史