いつものごとく、ジュンに絡まれていたドンちゃんは外へ逃げる。ドンちゃんのスポーツカーの不思議な力を目撃した二人組がそこに目をつける。二人組は産業スパイのバスとテノールだった。ドンちゃんをおだてあげ、スポーツカーレース出場の誘いを持ち掛ける。だが、その狙いはドンちゃんのスポーツカーだ。

ドンちゃんは、レース出場にあまり乗り気でない。負けず嫌いなおじいちゃんは魔法の国代表として必ず勝てとドンちゃんを後押し。ジュンはそれが実に面白くない。

レース大会の日がやってきた。チャッピーみち子も応援に駆けつける。ドンちゃんを狙うものがいることを知ったチャッピーは密かにサポートする。ジュンはドンちゃんのスポーツカーにイタズラをしかけていた。鳥に変身して空から後を追うジュン。後続の車が次々とやって来るが、イタズラでしかけた風船ガムや爆弾が作動しノックアウト。ジュンの目論見は見事に外れてしまった。レース中ポイントにさしかかるとドンちゃんを邪魔する後続車が現れる。挟み撃ちにされそうになったり、うまく交わすドンちゃんだが、崖から転落。おじいちゃんの言葉を思い起こし、踏ん張るドンちゃん。巧みにスポーツカーの機能を使ってコースに戻る。

レース終盤にさしかかるとあの、バスとテノールがドンちゃんを捕獲しようとトンネル付近で待ち構えていた。チャッピーのサポートでドンちゃんは難を逃れる。ゴール直前、スポーツカーが動かなくなった。魔法エネルギーが切れたのだ。チャッピーの「最後までベストを尽くして」という言葉を胸に、ドンちゃんはスポーツカーを押す。最後尾の車がじわじわと迫る。ドンちゃんはゴールするが力尽きてついに倒れてしまう。翌日、相変わらずジュンにスポーツカーをせがまれるドンちゃんの姿がそこにはあった。

がんばり屋のドンちゃん

人気者ドンちゃんのスポーツカーレース。
要するに、何事も諦めず最後までやり遂げるテーマなのだろう。この勝敗の結果はけっきょく描かれなかったが、視聴者に任せるというオチ。尚、今作は1972年7月東映まんがまつりへんしん大会で、第7話のブローアップ版が公開されている。


1972年5月15日放送

脚本 辻真先
作画監督 永樹凡人
演出 金子允洋