ドンちゃんのスポーツカーに乗りたくて仕方がないジュン。ドンちゃんは条件に自分を魔法で人間にしてくれという。年下のチャッピーに弟扱いされたドンちゃんは、それが嫌だった。ドンちゃんは三枚目になりたいという。ジュンは以前会った、ある男をモデルにしようと考えた。その男とは、数日前チャッピーとジュンがチンピラに絡まれたときのこと。チンピラの見張り役に気の弱そうな青年がいた。ジュンはその男そっくりにドンちゃんを変身させる。

その姿のまま町を歩くドンちゃんは、ご満悦だ。ドンちゃんはその姿のまま、チャッピーたちと出会った。そこにひとりの少女があらわれた。青年ドンちゃんを「ゲン兄ちゃん」と呼ぶ。どうも顔のモデルとなった青年の妹らしい。彼女はトモコと自分の名を呼んだ。ゲンが、長い間待っていたがなかなか帰ってこなかったと少女は泣きつき、ドンちゃんを家に連れ帰ってしまった。トモコの家は貧しく、病床の母がいた。トモコと母がいる手前、逃げるに逃げ出すことができずドンちゃんは困り果てる。チャッピーは魔法のバトンの導きで、ドンちゃんの居所を突き止めた。

チャッピーは本当のゲンを連れてこようと探す。ハンスト家の前に怪しい車が停まった。ゲンの入ったチンピラグループはなんと、強盗だった。ハンスト家に押し入ろうとするグループの企みを知ったチャッピーたちは魔法で対抗。金庫の扉を開けた強盗は札束雪崩に埋もれ、溺れてしまう。一方、気の弱いゲンは車中で見張りをしていた。そこへ、トモコの幻影が過る。ゲンは貧しさゆえに強盗グループに入った。妹の言葉に自分の手が如何に汚れていたか、ヘドロのように汚れたお金を手にしたいのかと悩む。幻影は、チャッピーの魔法であった。ゲンは強盗グループから足を洗う事を決める。魔法の解けたドンちゃんは元の顔に戻っていた。お風呂でのぼせているところをチャッピーと一緒に帰る。

翌日、一人公園で砂場にかわいい妹の絵を描くドンちゃん。新しい仕事に出掛けるゲンを見守るトモコ。

それを見たドンちゃんは、やっぱりちょっぴり寂しいのだ。

寂しがりやのドンちゃん

ドンちゃんが、実はチャッピージュンよりもなぜか年上という事が明らかになる今回。本来なら二人は弟か妹のような存在なのだろう。ラストにひとり公園で佇むドンちゃんが印象的だ。



1972年5月1日放送

脚本 辻真先
作画監督 小田克也
演出 明比正行