チャッピー家に遊びに来たみち子が、お父さんが何の仕事をしているのかと聞く。ニコニコ町では最近、妙な噂がたっていた。近隣のおばさんの会話では、豪邸に越してきた主人がろくに仕事もせずに暇を潰しているという。ハンスト家のパパのことである。そこへ、近頃10億円強奪事件が発生してるという噂も。このままではパパは犯人と疑われてしまう。魔法の国での貴族といえず、魔法瓶のミルクの会社に勤めていると言うチャッピー。

チャッピーはパパに仕事を探してほしいと頼むが、魔法の国では貴族というお堅い続柄、無理な話。それでもパパはみんなに疑われぬよう、人間の家族の父親と同じように朝、出掛け夕方帰る事を成し遂げようとする。だが、満員電車で押し潰されそうになり一日も立たずとして根をあげた。ジュンの提案からパパの職業を絵かきだったことにする。学校の写生授業で校長先生に絵を誉められるチャッピー。みち子はチャッピーのお父さんが絵かきだからという。校長先生が家に訪れると、パパに学校の壁画を書いてほしいと依頼する。困り果てるハンスト一家。しかし、一度頼まれた物を断ることもできない。パパは本当の画家に絵を書いてもらえるように頼みに行くが、全て追い出されたり断られてしまう。夜の学校に忍び込んだジュンは魔法で絵を描こうとするものの失敗。


チャッピーは、みんなに嘘をつくのはやめて、パパが画家なんかじゃないと話すという。そのために友達がいなくなってもかまわないと。困り果てたチャッピーはみち子に事の次第を相談する。と、みち子が子分たちを連れて学校の壁に先に絵を描いた。これでは画家の出る幕がない。校長先生はがっかりだが、子供たちの描いた絵ほど素晴らしいものはない、どんな画家もこんな素晴らしい絵は描けないと上手く逃げるパパ。

荒井クリーニングの主人がやってきて仕事がないパパに極端に同情する。こうして、いつのまにかパパは無職という事にされて落ち着くのだった。


パパのプライド

魔法の国では身分の高い暮らし柄、人間世界に馴れないチャッピーパパの苦悩が描かれる。仕事がわからない人がなぜ、豪邸に住んでいるのかなど人々の噂があったり妙に現実じみてシビア。


1972年4月17日放送

脚本 雪室俊一
作画監督 永樹凡人
演出 池田宏