「くいだおれ」7月閉店、道頓堀のシンボル60年
閉店が決まった「大阪名物くいだおれ」の前で記念撮影する外国人観光客ら(8日午後9時4分、大阪市中央区で)=川崎公太撮影 太鼓をたたく派手な衣装の看板人形で知られる大阪・道頓堀の飲食店「大阪名物くいだおれ」は8日、7月8日に閉店し、約60年の歴史に幕を下ろすことを明らかにした。経営する「株式会社くいだおれ」(山田昌平社長)が報道機関に送った「閉店のお知らせ」によると、建物・設備の老朽化、周辺環境・時代の変化、家族経営の限界などを理由に挙げ、「(店も)そろそろ定年を迎え、お役目を終えたようです」としている。 同店は1949年、山田社長の父親で創業者の山田六郎氏が、芝居小屋などが立ち並ぶ道頓堀の中心地で開店。和、洋食の多様なメニューをそろえ、戦後の「大食堂」文化の一翼をになった。店頭に設置した電気仕掛けの「くいだおれ太郎」は、グリコの大看板、かに道楽の動くカニ人形などとともに道頓堀のシンボルとして人気を集め、大阪を代表する観光スポットになった。
現在の建物は59年に建設された9階建て。1階がレストラン、2階が居酒屋、3~8階は宴会席になっている。
支店を出さず、創業者一族で経営を続けてきたが、食文化の多様化に加え、ミナミ一帯に若者向けの店が増えて客層が変化。90年前後のピーク時には来客数が年間70万人に上り、経営会社の売り上げも約15億円に達したが、ここ数年は半減。民間信用調査会社によると、2006、07年と2年連続で当期利益は赤字となった。
読売新聞の取材に対し、同店関係者は「補修や改築を繰り返してきたが、もう限界。建て替える経営体力がない」と話した。
閉店については、山田社長らが9日に記者会見で正式発表する。同日からは、「さよならくいだおれフェア」と銘打ち、くいだおれ人形の秘蔵写真など約100枚を店内に展示し、閉店までの間、各地の特産品を集めた料理フェアも開く