8月25日
蒼の火葬の日。
この日が来てしまうのが、
怖くて仕方ありませんでした。
けれど、残酷にも時はやってきました。
8:00、大学病院へ。蒼のお迎え。
蒼は退院日の可愛い姿のままでした。
家族みんなでお花を敷き詰めました。
ひまわりと、かすみ草でいっぱいに。
8:15、火葬場へ移動。
自分達で蒼を火葬場へ連れて行きました。
棺の蓋は開けたまま、
蒼に外の世界を見てもらうことにしました。
朝陽に照らされた蒼。
閉じた瞼から少しだけ見える黒目がキラキラ光っていて。
お肌は変わらずもちもちで。
可愛くて可愛くて仕方がありませんでした。
蒼を抱えて助手席に乗って、
ちょっとだけ遠回りしながら、
ゆっくり、ゆっくり、火葬場へ向かいます。
8:45、火葬場到着。
私達夫婦の他、両親、義両親、弟夫婦も見送りに来てくれました。
お焼香を上げ、それぞれ最後のご挨拶。
そして、夫と私から。
「蒼、来てくれてありがとね。
貴方に会える日を
すごく楽しみにしてたんだよ。
可愛くてしょうがないから、
もうお別れしないといけないのは、寂しい。
蒼、愛してるよ。
パパとママの子になってくれてありがとう。
良かったら、また戻っておいで。
パパもママも頑張って生きるから。
待ってるからね。
それまで、またね。」
私と、夫から、蒼にキスを送りました。
棺の蓋を私達夫婦で閉めました。
もう、嗚咽を堪えることができませんでした。
棺を綺麗に飾って。上に花束を置いて。
…もう、お別れしないと。
火葬場の方に
「お願いします。
蒼の骨を、絶対残してください。」
と伝えました。
スタッフの方はおじさんだったのですが、
「かしこまりました。」
と表情も変えないまま、
ツーっと一筋、涙を流されていました。
びっくりしました。
初対面なのに、蒼の火葬を悲しんでくれてありがとう。
いよいよ、蒼が焼かれてしまう。
棺が運ばれていく。
思わず、本音がこぼれる。
「蒼!
ちゃんと産んであげられなくてごめん!
私がいなくなるべきだった!
ごめんね!!!」
すかさず夫が、
「ありがとうでお別れするんでしょ!
ポン太は悪くない。
ありがとうでお別れしよう。」
と。
そうだった。
棺が見えなくなるまで
私達は抱き合いながら、
「蒼!ありがとう!」
「愛してるよ!」
「また私達のところにおいでね!」
と、泣き叫びながら蒼を見送りました。
人前でこんなに取り乱したこと、
多分、生まれて初めてでした。
9:00、火葬。
扉が閉まっても、
私はその場から中々動けず、
ボーッと扉を眺めていました。
頭の中にいる冷静な自分が、
「ドラマみたいな取り乱し方しちゃったな。」
なんて、思ったりもしていて。
そうでもしないときっと、
蒼の見送りに耐えられなかった気がします。
でも、私はどうしても蒼を最後まで見届けたかった。
火葬中、家族は待合室へ。
私達夫婦は外に出ました。
見事な青空。
8月だったけれど、
雲の形や風の匂いはどこか秋めいていました。
話すことも無く、ただ無言で手を繋いで、空を眺めていました。
9:45、火葬終了。収骨。
1時間と経たずに、係の方に呼ばれました。
蒼は、小さな小さなお骨になっていました。
でも、しっかり形を残してくれました。
業者が手配したお子様用の骨壷。
蒼には大きすぎました。
ピンセットでお骨を拾って。
一つ残らず蒼を納められるよう、
ハケで丁寧に集めました。
「わー、小さくなったねー。」
なんて言いながら収骨しました。
もう、不思議と涙は出ませんでした。
外に出ると、やっぱり爽やかな秋晴れで。
義母がこんなことを呟きました。
「こんなにいいお天気だもの。
蒼くん、迷わず天国に昇ったよ。
ポン太さんのお腹の中、
すごく気持ちよかっただろうから
蒼くんはずっと幸せなまま旅立ったと思う。
なんの苦しみも怖さも無かったと思う。
この世に未練なんて無いよ。
また、あなた達のところに可愛い子供が
きっとすぐきてくれる。戻ってくるよ。
だから、ちゃんと前を向いて生きなさい。」
五感で感じられないものなんて、
これまで半信半疑だったけど。
義母のこの言葉を、信じたいと思いました。
蒼は、もう、この世にいない。
けれど、またいつか逢えるから、
私達はこの世を頑張って生きなくちゃ!
こうして、
私達は蒼と永遠のお別れをしました。
名前 蒼(あおい)
出生日 2018年8月22日 (26w6d)
身長 34.5cm
体重 629g
2013年12月 入籍(26歳)
2016年2月 妊活開始(28歳)
2016年8月 チョコレート嚢胞発覚(28歳)
2017年5月 卵管水腫発覚(29歳)
2017年6月 KLCにて体外受精に挑戦(30歳)
2017年8月 1回目の胚盤胞移植、陰性(化学流産)
2017年10月 岡田病院へ入院、卵管水腫の手術を受ける(卵管開口術)
2017年12月 2回目の胚盤胞移植、陰性(化学流産)
2018年3月 3回目の胚盤胞移植、初めての陽性、妊娠成立
2018年8月13日 子宮内胎児死亡の宣告(31歳)
2018年8月22日 誘導分娩にて愛息子を出産