時計が壊れた
時計が動かない
時間が止まった
朝も昼も夜も同じ
何も動かない
何ひとつ動かない
時計の真ん中
小さなネジ
なくしてしまった
もう時計は動かない
昨日も今日も明日も同じ
何も動かない
何ひとつ動かない
こんなに
小さなネジなのに
ないと時計は動かない
時間を刻めない
何も動かない
何ひとつ動かない
どこにいったかな
小さなネジ
広い世界で探せない
暗い世界でみえない
どこ
壊れた時計が
いっぱい見えるけど
私の時計じゃない
私の時計は
何も動かない
何ひとつ動かない
時の止まった世界のことを
いろいろ書いて来たけど
本当に行って来た。
何もない。
時が止まると何もない。
食べることもなく
眠ることがなくても
何もないから何も思わない。
血も流れない凍った心と体で
春馬さんや沙也加さんは
よく何かしようと思ったなと
ただただ尊敬した。
ふたりとも
子供の頃からの表現者だもんね。
すごいわ。
生まれる前の魂の時から
表現者が運命だったのだろうか。
幕引きまで舞台のようだった。
私は中途半端の魂だから
体を引き摺ってベッドに行ったけど
眠るという行為がわからない。
食べ物を食べるという意味がわからない。
何の感情もないし生きているかわからない。
イスに座ったまま朽ち果てるイメージ。
「明日のジョー」の先行くイメージ。
骸骨になり家も消え世界も消える。
今も何も変わらない。
こんなにくぅくが柱で生活が
回っていたとは思いもしなかった。
柱どころか家の命そのものだったんだ。
私が社会に出られないこともあり
家の中のみで生きているせいでもある。
家の中ははじからはじまで
くぅく仕様になっている。
涙が止まるスキはない。
入院中もあまりの状況に生きたいと思ったことはない。
辛い思い痛い思いをしたくなかっただけだ。
友だちの義姉は癌に堪えられずベッドの柵に
タオルを縛り付け首を吊ろうとしたそうだ。
羨ましかった。
私は半身麻痺の寝たきりで百年がんばっても
柵にタオルは結べない。
幸いかどうかわからないが
痛い思いは一度もなかった。
口腔外科の診療台に座っていることが
外出無しの4ヶ月の入院中で一番辛かった。
まじない祝詞を唱えてみて下さいね。








