こんばんは!





静子さんなの?




の続きです。













障子を閉めたこの窓の向こうに
ライターくらいの灯りが
スースーと行き交い続けています。
3つか4つあったような記憶が
ありますが本当のことなどわかりません。






瞬間にあらゆる可能性を考えます。
誰かが軒下に入り込んで
両手にライターを持ち振り回している?
この軒下は隣家との間も狭く
大きな溶岩と石がびっしりと置いてあるので
物音をたてずに入ることは出来ません。
隣家がいたずらしている?
ここに隣家の窓はありません。









人魂













という言葉しか残りませんでした。
もしそうなら視たのは初めてです。
障子の向こうではこんな感じの色の炎で
大きさはライターの炎を一番大きくして
振っているような動きです。
霊媒はやっていても
窓まで行き障子を開ける
根性など全くありませんよ。
もし静子さんがいるのなら
障子のすぐ向こうですから
障子を開けたら鉢合わせになります。
絶対嫌ですね!
死んでも嫌です!

















静子さん?は音もたてずに
スースーという感じ?で
道路の反対側の方に進んで行きました。
行きましたというのは「感じ」です。
静子さんが進む「感じ」に合わせて
私も体の向きを合わして行きました。
障子は閉まっているし
壁の向こうなど見えやしませんから
あくまで「感じ」ていることです。







この家に居憑いてる女が
静子さんと気付いてから
10年近く経ちますが
(5年で私は引越ましたが)
静子さんを視たことはありません。







もしも父母の不仲や母親の破綻性格が
静子さんの祟りだとしても
静子さんを憎む気持ちが萎えるのです。
母親はわがままですし
そのわがままを助長していたのは
ばあちゃんの甘やかしです。
先妻の娘がどんな扱いを受けるかは
ドラマと小説でしか知りませんが
私のばあちゃんと母親とでは
目の前で見るように想像出来ます。







いじめにいじめ
いびりにいびった
でしょう。





もうしょうがないんです。
私が生まれて
ばあちゃんと母親に会った時には
そういうばあちゃんと母親でしたから
変わりようがありません。
嫌なところもありますが
いいところももちろんありますよ。
巡り合わせが悪かったとしか
思いようがありませんが…







恨まれてもなぁ…
しょうがないよね。





静子さん
あなたの気持ち
わかります。











ガチャーン!






表のシャッターが
すごい音をたてました。













それまでは怖いと思いつつも
なんとか気丈に
振る舞って来た私ですが…









さすがに
心臓が
止まります。


















続きまーす!






「千祓の祈願 五百十四回」

とほかみ えみため
はらいたまえ きよめたまえ

日本最高の神伊勢神宮の天照大神は
疑い深く自分の考えに自信が持てずに
オロオロマゴマゴします。
最高の神さまでさえそうですからね。
私がオロオロマゴマゴはあったり前ですよ!