こんにちは!
婦長は「ビリケンさん」の置物を
すごーく大切にしていました。
ヒトガタ(人形)です。
私は寒気が立つほど
気持ち悪かったのですが
まるで自分の子供のことのように
ビリケンさんの話を
満面の笑顔で語ります。
喰われています。
良くないです。
本当に良くないのです。
何度も何度も言っているように
「人形ーヒトガタ」のものに
念を込めてはいけないのです。
でも
今さら婦長から
ビリケンさんを取り上げたところで
「幸運」が舞い込むわけではないのです。
占いに来るには遅すぎるのです。
困りました。
どうしたら良いのでしょう。
占い師に出来ることはありません。
でも
たとえ私が魔法使いだとしても
出来ることはないような気がします。
婦長さんを若がえらせても
大金持ちにしても
モテモテにしても
婦長さんの「寂しい」は消せません。
婦長さんは半世紀を
寂しく生きて来て体に染み着いてます。
婦長さんが婦長さんである限り
「寂しい」は消えないと思います。
恋人がいなくて「ひとりご飯」は
それほど沁みません。
恋人がいて「ひとりご飯」も
それほど沁みません。
恋人を恋人と言えなくて
恋人が家族と食事をしているのを
思いながらの「ひとりご飯」は……
その半世紀は想像も出来ません。
健康面で体の弱い部分や
急所などが少しでも痛くなったら
すぐに病院に行くことと
不調を正す占いしか出来ませんでした。
布団に入ってからも
何か良い占いが出来なかったものかと
考えて眠れませんでした。
そんな役立たない占いだったのに
半年後か1年後かに
こちらにいらした時にまた来たいと
言っていただいたのですが
私が「占い師辞めたい病」の時
だったのでお断りしました。
それからどのくらいでしょう?
半年くらいでしょうか?
婦長の姪っこから連絡が来ました。
「叔母さんが
急死しました!」
急死?
急死ってどういう意味だっけ?
とすぐに理解出来ないほど
びっくりしました。
あの「寂しい」背中と
ビリケンさんのニヤリが浮かびました。
婦長は友人たちと
カラオケで楽しんだ後
ひとりでサウナに行って
日焼けマシーン?で
横になったまま亡くなったそうです。
痛い思いもせず
辛い思いもせずに
眠るように亡くなったようです。
多分死んだことを
わかっていないと思います。
ビリケンさんのファンの方も
多いので前にアップした記事では
書かなかったのですが
婦長のビリケンは婦長ビリケンで
他のビリケンさんとは違うモノです。
それを前提に書かせてもらいます。
魂の宿ったヒトガタは婦長を
連れて行ってくれたのだと思います。
う~ん。
この場合ヒトガタ(ビリケン)は
良いモノとも悪いモノとも言えないです。
もし
婦長が私の占いに
来ていたとしたら
「サウナは危険!」
と注意してこの結果を
阻止できていたと思います。
それは占い師として
絶対の自信があります。
だけど
それが婦長にとって
良かったことでしょうか?
婦長の底知れない「寂しい」日々が
続くだけのことのような気がします。
何か
この報告を聞いて
私は気の毒と思うより
ホッとしたのです。
本当にホッとしたのです。
「千祓の祈願 二百七十一回」
とほかみ えみため
はらいたまえ きよめたまえ
婦長が苦しむことなく急死したのを羨ましく
思ったのですが、もしかしたら婦長は
苦しんでも寂しくても足掻いても
1日でも長く生きたかったかもしれません。
もう今さらしょうがないんですけど。









