こんにちは。
20数年前のことです。
近所のお宅の5人姉妹の次女が
20才代で亡くなったのですが
私も家族もあまり懇意にして
なかったのではっきり言って
顔も存在も知らないくらいでした。
そんなことのある少し前のある夜
うちの店の前がガヤガヤと
騒がしくなり次男の大声が聞こえました。
声もデカイし態度もデカイ次男です。
その次男が店の奥のリビングに
中学時代の同級生が店の前にいたと
言って連れて来ました。
その同級生の男が女性を連れていて
並んでソファに座りました。
夜中の12時は過ぎていたと思います。
次男はド陽気で人あしらいが上手く
人タラシの部類の人間でした。
中学生の時は中学校の近くの交番の
お巡りさんとやけに仲良くなり
お巡りさんがうちに遊びに来たくらいです。
何の縁なのか私の父母は死ぬまで
小中学校の友達とつるんでましたし
私ら子供3人も小中学校の友達と
長くつるんでいます。
はーい!
話が逸れましたね~!
戻しまーす。
その次男が連れて来たカップルに
飲み物を出してリビングの
端にあるキッチンコーナーにいました。
次男「○○(中学の同級生の男)
なんでこんなところにいたの?」
同「······彼女を送って来たんだ。」
次男「へぇ~!彼女この辺なの?」
彼女「すぐソコの……村野です。」
次男「えっ村野さんなんだぁ♪カノジョ?」
同「イヤ、会社の同僚だよ。
オレ△△と結婚したんだ。」
次男「中学の△△?(同級生の女)
ヤッパ付き合っていたんだ~!」
ン?( ´;゚;∀;゚;)
それって··············( ´;゚;∀;゚;)
とここまで聞いてしまった私は
ヤバイヤバイすげぇヤバイじゃん!
近所の子の不倫関係なんて
知りたくないよ~!と真っ青でした。
ここにいたって万年サンバの次男も
ヤバイ空気に気付いたらしく
声のトーンが数オクターブも下がりました。
同級生の男は「わかるだろ?」
という感じでした。
それから次男は
当たり障りのない話を続けて
ゲラゲラと大笑いしていました。
私は顔色が戻った頃にリビングの
真ん中を通り自室に戻りました。
自室に戻るのはここを通るしかないのです。
その後のことがあったからでなく
その時の彼女は明るいリビングの中で
黒い空気をまとっていて
一瞬たりとも彼女が見えることは
ありませんでした。
飲み物を出して挨拶をして
村野と言われひゃあーと驚いて
まじまじとみたはずなのに
何も見えませんでした。
髪の長さすら全く覚えていないのです。
今こうして書いていて
他のことは仔細に覚えていて
3分前のことのように思い出せます。
彼女だけ記憶がないのです。
その日から
どのくらいでしょうか?
よく登場する近所の人が声を潜めて
「村野さんの次女が亡くなったんですって!」
「えっ!なんで?
この前
うちに来たばかりだよ!」
「自殺したん
ですって!」
聞いた途端
全身が凍ったようになりました。
私は私でしかありませんから
私だからそう思ったのか
誰でもそう思うのかはわかりませんが
あの不倫がこじれたんだと思いました。
私は次女が村野さんの家の
3階の窓から落ちてくる様が
視えたのですがあり得ないことです。
独り暮しをしていた賃貸マンションで
首を吊ったんだそうです。
どれほど辛い思いをすれば
「首吊り」という選択が出来るのか
想像もつきません。
ちょっと首を閉めても苦しいのに
何分も苦しみもがいてまで
死にたいと願うことのは
相当の苦悩だったのでしょう。
ご両親のことも姉妹のことも
頭を離れることはなかったでしょうが
それでも選択したのですから
私はその選択を責める気にはなれません。
村野のご両親のことは
お気の毒過ぎて
チラッと見掛けただけで
息が詰まる思いでした。
お通夜もお葬式も町内の告知も
何もありませんでした。
ところがどういうご縁なのか
村野宅の玄関前で一家が揃って
喪服姿でタクシーから
降りるのを見てしまいました。
お母さんが小さめの骨壺を
胸に抱いているのが一瞬見えてしまい
心を握り潰されたようになって
すごい勢いで目を反らしました。
内密の葬儀なので見てしまった私も
見られてしまった村野一家も
お互いにお互いがいないかのように
振る舞って私は反対側に曲がりました。
でも見てしまいました。
お骨になった次女さんのご遺体を……
1分ずれていたら見ないで済んだのに
どうしてこんなに間が悪いんでしょう?
この頃はまだ神棚もなく知識もなく
嫌だなーと思ったままでいました。
最悪ですよ。
せめて肩先を手で
ささっと祓うだけでもこんなことには
ならなかったと思います。
その夜昼間のことは
さすがに忘れていたと思います。
自室のベットに腹這いになって
本を読んでいました。
あ……あ………
なんか聞こえたような気がして
ドアの方を振り返って見ました。
ドアの向こうは2階のリビングです。
一応2世帯住宅用の設計でしたので
1階にも2階にも15~6畳の
リビングがありました。
リビングには誰もいないはずでしたが
弟が帰ってきたのかもしれません。
本の続きに戻ります。
あ…あ……あ…か……
今度こそガバッと起き上がり
部屋の中をキョロキョロと見回しました。
なんかハエでも探すような感じでした。
何もいないんじゃないと思った時
全身がゾワゾワし始め
壁に背中をぴたりと張り付けました。
耳元から聞こえてくるのです。
なになになに?
なになになにー!
なにーー!
壁に背中をつけた安心感から
今さら壁から離れて部屋から出ると
いう勇気はわきません。
怖い怖いーなんで?
すごい怖いのですが
なにが怖いのかがわかりません。
パッと
骨壺が視えました。
キャー!!
うそー!
なんで村野の次女が?
しゃべったこともないじゃん!
やだー!
なんなのよー!
あ…か…い……こ…と
背中の壁から聞こえてくるのですが
体は固まったように微動だに出来ません。
何の音だか何の空気なんだかわかりません。
ドンドンと自分の体の鼓動音だけ
響いて聞こえます。
すると本当に耳元の
髪の中からはっきりと声がしました。
あかいこーと
長くなったうえ
まだおわらないので
続きにします。
すいません😣💦⤵
「千祓の祈願 二百二十一回」
とほかみ えみため
はらいたまえ きよめたまえ
お薬が増えなくて済みますことを
数値が良い方に進み続けることを
祈願致します。









