こんにちは!
20年くらい前の話です。
1階のリビングの隣が
両親の部屋でした。
父親は深夜営業の商売だったので
だいたい母親ひとりでした。
その夜は見たいテレビ映画が
あって深夜までリビングに
ひとり残っていました。
見たい映画だったので
最後までしっかりと鑑賞して
自室に戻ろうと
リビングの照明を消しました。
そのとたんに両親の部屋の引戸が
ガラッとかなりな勢いで
開いたので叫んでしまいました。
私「キャー!!」
母親が驚いた顔を出しました。
母「夜中に大きな声を
出すんじゃないよ!!」
私「お母さんこそ驚かさないでよ!
急に戸を開けたりしてさ!」
母「あっ!」
そりゃあビクッとしますよ。
「お母さんこそ!
大きな声を出さないでよ!」
「今ね
座敷わらしが
が出たの!」
「は?」
「座敷わらしよ。座敷わらし!」
まーた何を言い出すんだこの人は?
私が呆れていても話続けます。
母親が仰向けに寝ていたところ
胸が苦しくなって
自分のうなされる声で目覚めました。
ぼんやり目を開けると
かすりの着物が見えました。
かすりの着物を着た子供が胸の上で
ポンポン跳ねていたそうです。
そういえば
見ていたテレビ映画の中で
無音になるシーンがあった時に
両親の部屋から
胸をトントン叩くような音が
聞こえたので
そっと覗いて見てみたのでした。
母は噎せやすい体質で
「私はいつか咽頭がんになる!」
と年中言っていましたが
全然なりませんでした。
私は自分が咽頭がんになるとは
一度も思ったことはありませんが
咽頭がんになりました。
( ≧∀≦)ノワラッチャイマス!
何か関連性があるのですかね。
話が逸れました。
すいません。
そんな母親が胸をトントンしていると
思ったので心配で覗いたのです。
普通に寝ていたので
(じゃ今のは?)とは思いましたが
映画が面白そうなシーンになったので
慌ててテレビの前に戻って
夢中で見ていたので忘れていました。
その話をすると。
母「ほらっやっぱり
座敷わらしでしょ!」
母親は勢いづいて言いました。
私「でもさぁ
この家建ったばかりだし
座敷わらしなんているわけないじゃん!」
母「古い家とか新しい家とか
関係ないんじゃない?」
あまりにも突拍子のないことなので
テレビ番組に毒されたんだろう
と思いました。
この頃座敷わらしが話題に
なってじゃんじゃん
テレビでやってました。
「良いことがあるんだわ~!」
と母親は喜んで寝ました。
私は自室に戻り寝ました。
ポ…ー…ン…
ポーンポーンと
何かが胸の上で跳ねています。
重みを感じるので苦しいんです。
(これが座敷わらし?)
座敷わらしが体の上で跳ねるとか
座敷わらしに会って苦しいとか
聞いたことありません。
どう考えても座敷わらしとは
思えませんでした。
おそるおそる目を開けてみると
かすりの着物というより
かすり柄のガーゼの寝間着?
少しずつ目線をあげていくと
腰が直角ほどに曲がった
痩せ細った老人が
歯のない口を歪めて
こちらをギョロりと見下ろしています。
100才にも見えるのに
胸の上で素早くぴょんぴょん
跳ねているんです。
跳ねる度にゴボッゴボッと咳をしてます。
その合間のヒィヒィという声(音?)が
苦しんでいるのか笑っているのか
わからないことが……怖い……
ゴボッ··ヒィー···
···ゴボッ··ヒィー
とにかく落ち着こうと
ぎゅっと強く目をつむって
恐る恐る開けてみると
息のかかるすぐ前に
老人のギョロりとした目がありました。
深い穴のような口がニタリと…
ひぃいぃぃぃぃぃ
後は覚えていません。
目が覚めたのは朝でした。
「何であれがかすりに見えるのよ!
何であれが座敷わらしなのよ!」
母に言いたいことは
山ほどありました。
「千祓の祈願 百五十九回」
とほかみ えみため
はらいたまえ きよめたまえ
近付けないことが出来たらいい。
やっつけることが出来たらいい。




