こんにちは!




私の実家から歩いて
15分~20分くらいのところに
昔遊郭がだったところがありました。
大人たちは誰もその話をしないので
私がその歴史を知ったのは
30才も過ぎてからです。



(画像はお借りしました)



60年前に売春防止法で
遊郭が廃業した時に
遊郭を追われた帰るあてのない
女性たちが大勢いたそうです。
彼女たちはたくましく
遊郭の近くで小さな飲み屋を
始めたりしたらしいので
その名残もけっこうありました。





私が占い師を仕事にしていた頃
私の実家よりも
遊郭に近いところに住んでいる
お客さんがいました。
深刻な相談で来た時に
家の写真を持って来ました。





相談の内容に必要だったので
全室の東西南北四方の写真を
撮って来るように言ってありました。
北側は窓が少ないのですが
その少ない窓に
必ず写っているモノがあります。





すごく気になりますが
相談事には関係ないので黙ってました。
相談事が終わってカフェタイムになり
ここぞとばかりに聞きました。




私「あなたの家の北側の
お宅はどんなお宅なの?」




一応住宅街なのですが
この辺は小さな家がびっしりと
くっつくように建ってます。
家と家の間など10cmほどで
一軒家というよりも
長屋と言った方が良いくらいです。




客「北側?ああ
元パンパン小屋があります。」




「えっ✨
パンパン小屋?✨✨」
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆




面白そうな話じゃあ~りませんか!
思わず身を乗り出してしまいました。
(まだ占い師初期の頃で
はしゃいでます(T-T))




パンパン小屋というのは
遊郭を出た女性が
遊郭と同じような商売を
していた家のことです。
パンパンというのは売春婦のことです。
昔のことなので
小さな家だったのでしょう。
だからパンパンの小屋です。




「パンパン小屋には
どこからも入れないんです。」




四方に家が建ってしまい
ポツンと残されて
しまったのだそうです。



「その家の持ち主は?


「調べてもわからないらしいです。」



5坪ほどの木造平屋建てで
ボロボロらしいのです。


こんなのを想像しました。


「どうなるんだろう?
壊すにしても入れないもんねぇ。」



昭和初期の産物です。
私は古い趣のあるものに
すごく興味があって大好きです。
もしかして
明治·大正時代の小屋かもしれません。
その上四方を家に囲まれて
出入り出来ない閉ざされた小屋。
興味を持つなと言われても無理です。




見てみたーい✨!
ぜひとも
見てみたいー✨!





客「ずっとそのままなんですかね?」




閉ざされた狭い土地に
小さなパンパン小屋がポツンと
建っています。
外からは伺うことも出来ません。
興味でゾクゾクします。
お客さんの家の北側の窓を
乗り越えて行けば
行けないことはないらしいですが
お客さんのご両親の家ですから
さすがに「今は」遠慮しました。




「あのさ
あなたの家からその小屋の
写真撮れる?💕」




「北側の窓から撮れますよ。
撮りますか?」
「ぜひ✨!」
(くいぎみに言っちゃいました!)




「ぜひお願いします!」
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆






数日後だったと思います。

客「撮って来ました!」

私「うわぁい🎵ありがとう🎵」




プリントされた写真を
何枚か受け取る時にふと
「パンパン小屋」が目に入りました。




(ぎ)ゃー!





受け取った数枚のプリントを
バッと放ってしまいました。


客「えっ何か写ってます?✨」


私「······いや···何も····」




古い小さな小屋が
写っているだけです。
何も写っていません。
本当になにひとつ写ってません。




それなのに


恐い。




恐くて恐くて
全身総毛立っているのはもちろん
喉の内側まで鳥肌が
立っている気がします。
座っている足がブルブルします。





写真がこんなに
恐いのは初めてです。





異状なくらい低い小屋でした。
△型の屋根の一番高いところで
1メートル5~60センチくらいです。
室内は1メートル2~30センチ
くらいだろうと思われます。
いくら昔の人が小さくても
屈まなければ中には
居られないと思われます。
趣どころの話じゃありません。





恐い!




恐い…恐い…恐い




恐いー!!










ふふふ……

だいじょうぶなの

たっていることはないのよ

いちにちじゅう

ふとんのなかにいるの

あるけないこもおおいのよ

逃げられないの

みんな

みぃんな

もうすぐ










死ぬの







すごく恐いです。
パンパン小屋は時空を超えてます。
何十年も止まったままです。
写真はもらったはずです。
こんなもの誰も持ってはいけません。
お客さんに持たせておく
わけにはいきません。
私が頼んだのですから
私に責任があります。
かといって私も絶対に
持っていたくありません。






私のダントツで一番恐い写真です。
恐すぎて記憶にないのですが
多分
厳重にお祓いをしたと思います。
私自身も祓いました。
本当に「面白そう」と思ったりして
とんでもなく無礼でした。
申し訳ありませんでした。





この後は何に向き合うにしても
敬意をはらって
向き合うようになりました。
古いモノには歴史があります。
そこには真っ黒な歴史もあります。
触れてはいけないモノもあるのです。
面白がってはいけないのです。


(もちろんこの家ではありません。
この家の30年後の感じです。
それにもっともっと低いです。




ああ

パンパン小屋は

今もありますよ。







だって

誰も

入れませんから·····







「千祓の祈願 百九回」
とほかみ  えみため
はらいたまえ  きよめたまえ