こんにちは。5月14日に無事MBAを修了しました。


前職時代にMBA取得を志したのが2007年の6月。あれから早4年が経とうとしています。当時はMBAとはそもそもなんだ?とか、アメリカのMBAだと授業は英語なんだよな?など何も分からないところからスタートしました。アメリカ留学は語学学校から始まり、TOEFLやGMATとの格闘は本当に辛かったことが今でも思い出されます。入学してからも、毎日課題に追われてろくにアメリカを旅行することもできずに1年目が過ぎました。MBA2年目にしてやっと英語に関しても余裕が出てきました。授業ではM&Aやマーケティングのクラスから始まり、マネージメントや起業についても非常にたくさんのすばらしい方との出会いを通して有意義な学びを得ることができ、一番成長を実感できた年でした。


MBAで学んだことを一言で表すことは出来ません。価値観やビジネススキル、その他Diverseな環境でのチームワーク等も含めて、どれだけ自分が学び、成長したかを考えると言いたい事があり過ぎてしまいます。しかしながら、一応総括ということで、このアメリカ留学の3年間、特にMBAの2年間で学んだ内最も大きな事を3つ挙げたいと思います。


1つ目はやはりビジネスに関わる問題に対しての取り組み方、アプローチの仕方でしょう。


300を超える、会計からマネージメントにいたる様々な分野のケーススタディを2年間でこなし、毎日違うバックグラウンドから来ている優秀なクラスメイト達と意見を交換しながら培った物は、かけがえの無い財産として自分に染み付いています。具体的には、問題提起、そして状況分析、選択肢の模索をへて、最適な意思決定をするという一連の流れの中で、それぞれのステイクホルダーの立場を理解しつつ仕事を進めていく。SustainabilityやFlexibility, Consistency,といったキーワードをはじめとし、それらを外部環境やビジネスモデル、そしてビジネス自体のObjectiveに沿いながら進んでいくというプロセスをたくさんのテクニックやフレームワークを使いながら学ぶことで、様々な角度から企業を研究できるようにもなりました。


2つ目は、社会に対する貢献、ソーシャルバリューを生み出していくことの重要性です。私のように元々ITベンチャーみたいなところで営業をやっていた身としては、最後の最後になるまでこれに気付くことはできませんでした。私は営業時代、自分に出来る限り顧客の利益になるよう努力したつもりですし、部下等についてもたくさん給料が出るようにしていました。しかし、所詮は非常に小さい世界で日々の数字、遠くても1年先くらいの数字しか見ていませんでした。しかしながら、やはり自分達だけ儲かることや、世間が求めていない物を一生懸命提供していても自分の人生、しいては社会は全然豊かには成りません。もちろんそんな環境には優秀な人も集まりません。やはり、崇高なビジョンがあるところとそうでないところは長期的に見て一目瞭然の結果が出ます。やはり自分達だけが儲けているようじゃダメなんですね。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、世の中の95%を構成する中小の企業にとっては深い議論になる事だと思います。


最後の3つ目はやはりチームワークでしょう。Diversity(ダイバーシティ)はアメリカならではの環境ですが、ある研究によると、同じスキルを持った集団よりも様々なスキルを持った集団の方がパフォーマンスが良いということが証明されているそうです。私もまったくそのとおりだと思います。スキルどころか、国籍や言語、価値観まで違うメンバーと一緒に同じ目的に向かって進むことは容易なことではありませんでした。それどころか、始めのうちは、自分が満足いくような結果を得ることなど無理だろうと思っていました。ところが、お互いを理解し合い、信頼し、助け合うことにより、各自の持ち味が生かされ、時にはすばらしい結果を出すことができるということを肌で感じました。


そういった経験を積んでいく中で、自分の価値観も変わっていきました。私は昔から、なんでも自分でできなければいけないと考え、自分を成長させることに一生懸命取り組んできました。常に完璧を目指す事が重要だと考えていましたし、失敗は全て自分の力不足から来る物だと自分に言い聞かしていました。しかしながら、それでは長い人生疲れてしまいます。そして、この世に完璧な人間などいないということにMBAを通して嫌というほど学びました。完璧を目指すことは大切だし、私も今後も生涯学習の精神を忘れることはありませんが、ここに来て、頼れる仲間を得たことにより、私はやはり完璧な人間にはなれませんが、あんな頼れる仲間達と一緒なら我々は完璧だ、と思いました。そして、私はそういう環境にいる自分の方が昔の自分よりも好きである事に気付きました。


学びについて細かいことを箇条書きで羅列すると軽く2ページくらいになった記事を書く前のメモを見ていると、その時の授業の光景やクラスメイトの発言がありありと思い出されます。ここに来て本当に良かったと思います。卒業式に自分が入場してくる姿を母に見せることが出来、誇りに思ってもらえたことで、もうアメリカで思い残すことは何もありません。またきっとそう遠くない将来帰ってくるかもしれませんし。


さて、最後まで読んでくださった方ありがとうございます。そして、これまで私を支え励ましてくれた皆さん、本当に心から感謝します。私は6月2日に日本に完全帰国し、7月1日から新しい職場、今度は東京のバイオベンチャーで、世界に日本の医療技術を広めていくことに挑戦していきます。初めての経験は毎度のことですが、非常にチャレンジングな仕事に胸が高ぶります。今後も是非応援よろしくお願いします。





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