おはようございます。期末試験シーズン到来ですが、新たにゲームを買ってしまったことと、ここまで来るのに力を使いすぎて最早燃えつきかかっているため、モチベーションが上がらない今日この頃です。


さて、久しぶりにMBAでの学びに関することでも書こうかと思います。


新規事業を成功させるためには、という題ですが、みなさんはこの話題にどのくらい興味を持ってますか?


私は当然MAXで興味がありまして、私のMBAも起業家育成という位置づけでブランディングをしていますので、こういう話題は良く出ます。


みなさんはMBAの長ったらしい論文や説明を聞きたくないと思うので、私の考察をなるべく簡潔にまとめようと思います(それでも多少長くなるので暇な時にでも読んでください)。


まずはそもそも何故新規事業を立ち上げなければいけないのでしょうか?


答えは至って簡単です。それはほぼ全ての市場にはリミットがあり、ある一定の所まで来ると、顧客獲得コストが顧客獲得から得られる利益を大きく上回り始めるからです(ビジネスライフサイクルというS字のグラフはみなさんも親しみ深いのではないでしょうか?)。


理由として大きいのは、同じ市場における競合他社の存在になります。資本力が大きい組織が基本的に市場リーダーとなり、他の会社のパイをどんどん食べて行ってしまいます。そうなる前に、会社としては他の事業をタイミングよく起動に乗せていかなければ、コスト(主に人件費や工場等の設備費)の消化が出来なくなり、倒産します。


そのため、ビジネスを続けていくためには、短期的な戦略と中長期的な戦略、また、市場の発展ついて常に気を配らなければいけません。


さて、新規事業の立ち上げの必要性から話を戻して、次に新規事業の区分を大きく2つに分けます。


A 自社の対外的強み、ブランドを生かしてする、どちらかというと既存事業の延長線上にある新規事業
B 自社のやっていることと比較的関係の無い新規事業


みなさんもこの時点でピンと来るかと思いますが、AとBではAの方が圧倒的に成功する確立が高いです。
これはどの教授に聞いても似たような答えが返ってきますが、Bは普通に自社内だけで立ち上げる場合99%失敗するそうです。


まずは、Aに分類される新規事業について考えてみましょう。


Aに分類される新規事業としては主に下記のようなものが挙げられます。


①商品、サービスライン拡大
②既存顧客または似たセグメントの顧客へのアプローチ
③地理的拡大(海外進出)


Aを成功させる要素としては、まずはじめにファイナンスの部分でしっかりとしたリターンが見込めていることや、黒字化のスピード、または事業リスク等が低い事が挙げられ、最終的にマーケティングの観点から最適な市場とポジショニングを選ぶことが重要となります。


しかしながら、Aの欠点は、当然ものによりますが、事業としての寿命が短い傾向があるということが言えます。つまり、市場が成熟するタイミングが比較的早いことや、競合他社が簡単にビジネスモデルを真似ることが出来る可能性が高いため、既存のリソースでエクストラを追った所で、すぐに頭打ちになるという事です。


例を挙げるのであれば、Webのホスティングサービスを提供している会社が、既存顧客に広告サービスを提供したいと考える場合です。


基本的には短期的に既存客へのアップセルにより、売上は上がりますが、既存客は数が当然限られていますので、直ぐに市場がなくなってしまいます。これは新規事業とはいえ、やることは既存事業とほぼ変わらず、企業努力の幅が小さい分、リターンも小さいと考えざるをえません。


同じように、サントリーがプレミアムビールを出して成功したら、キリンやサッポロもプレミアムビールを投入してきます。そのため、市場の成熟も早くなります。


次にBに分類される新規事業について考えてみましょう。


BはAに分類されない全ての事業になります。つまり、レストランがいきなり銀行をはじめる様なものです。


また、他の例で言えば、タンカレーというジン(アルコール飲料)で有名なブランドが、タンカレーウォッカを出して失敗しました。


これはAに分類されなくはないんですが、結果論として、ジンで得たブランドエクイティが、ウォッカには使えなかった、または、純粋なウォッカブランドに勝てなかった、ということになります。


つまり自社の対外的強みを生かせていない、自社の強みを間違って理解していた、という観点からBです。


しかし世の中には、服屋さんがシャンパンを売って儲けていたり、ネットの会社が銀行や証券会社をはじめて成功していたりと成功事例もたくさんあります。


それでは何故こういった事業は成功したのでしょうか?


これはアメリカでのビジネスを学べば一目瞭然です。


答えは買収です。早い話、既にある程度成功している会社を傘下に収めて、コストをカットしていき、且つシナジー効果を高めていくという形です。


アメリカは世界で2番目の経済大国である日本の3倍近いGDPを誇り、なんだかんだ言ってもビジネスに関する知識や経験は他国とは比較になりません。もっと言いますと、中国が昨今快進撃を続けていますが、中国は実際単体でがんばっているに過ぎず、アメリカは日本や南アメリカ諸国を始めとして、たくさんの経済植民地を持っています。なので、実質の支配力という観点で見れば、中国がいくらがんばってもしばらくは追い抜くことはできません。


そのアメリカさんからすると、こういったことはもう第2次世界大戦後くらいから経験しており、出来る事と出来ない事が既にフレームワーク化されており、金融組織もそういった事業や戦略に対する投資判断に非常に長けています。


そのため、Bのパターンで事業を伸ばしていく場合、否が応でも買収戦略に関わらざるを得ないというのが一般的な理解です。


日本でもソフトバンクなんかが良い例ですね。


スタートアップの会社や事業を立ち上げる際に必要な能力は事業を軌道に乗せることであったり、タイミングを見誤らないことなどの、本を読めばある程度学べることだったりしますが、その後事業の種類を増やしていったり、一つの分野に特化したブランドをもっと大きい枠として広げていくときには、まったく別の能力や経験が問われてきます。


そのため、Bの事業、つまり長期的な安定した収入源の確立と確保は、ビジネスとして最も複雑で見通しが立ちにくいため、それに関わる仕事をサポートしている人達(外資系投資銀行等)へのリターンは大きいわけです。


そのため、私のように、未上場、もしくは上場しているがまだ規模が小さいという会社に入り、ストックオプションで儲けてやろうなどと考えている諸君は、上記のAとBに関する両方の知識や経験が問われてくるわけです。


最後にMBAをやりながら個人的に思うことですが、経営に関する学習は際限がなく、一生涯学んでいかなければなりません。そして、勉強方法や情報収集の仕方等を学ぶためには英語が不可欠でありますし、それをこの3年ほどの間に学べたことは今後の人生において大きな資産となりました。


3年前に仕事をしている際に感じた事、MBAへの投資が正しい判断だったかどうか、個人的には既に答えが出ていますが、実際にはまだ分かりません。


日本に帰って新しいフィールドで仕事を始める事が楽しみです。


それではそろそろレポート等の作業に取り掛かろうかと思います。


おつかれでした。